SSブログ

平均値と正常値 [医学]

確かに平均値を取れば、だいたいこの辺が正常という値がありますけれど、それぞれの個体にとっての正常値は、必ずしも平均的正常値と一致するとは限らない。
臨床家というものは、その個体にとってどこが正常値なんだろうかという思考を、いつもどこかに持っていてほしい。 そうでないと、検査成績を治療していることになる。
今の医学はそうなっていますから、「果たしてこの検査成績が正常になってくることが、この人にとっていいのかな?」と考える習慣を持ってください。
~中略~
その藤島先生(住人注;元九州大学医学部内科学教授)に「血圧はどのくらいが、いちばんいいんですか?」って聞いたの。年を取ったら、だんだん血圧が上がってくるでしょ。
そしたら、「朝、目が覚めて、頭の気分がいいときの血圧を測ってください。それが、その人のいちばんいい血圧です」って。
やっぱり優れた臨床家が最終的に到達する結論はそういうことなんです。

神田橋條治 医学部講義
神田橋 條治 (著), 黒木 俊秀 (編集), かしま えりこ (編集)
創元社; 初版 (2013/9/3)
P063

神田橋條治 医学部講義

神田橋條治 医学部講義

  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 2013/09/03
  • メディア: 単行本

 

平等院 (25).JPG平等院

P081
自分に合うようにしているかどうかは「気持ちがいいか、どうか」です、これが大事です。
「気持ちがいい」というよりも、「気分がいい」と言ったほうがいいかもしれません。これは今やっている自分の行動も含めた環境が、その生体にとって無理がないということ、自然治癒力を含めたその生体の活動にとって、よい環境、行動、自分がやっている行動も環境ですから、「生体にとってよい環境」を表わしているわけで、前に藤島名誉教授が言った血圧のことも同じです。
 そしてそのときに何が起こってくるかと言うと、「快食」「快眠」「快便」というような生理的なよさがありますし、「自分らしい」という感覚があります。

 

 

神田橋條治 医学部講義

神田橋條治 医学部講義

  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 2013/09/03
  • メディア: 単行本

 


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント