好奇心は危険を伴う [ものの見方、考え方]
みなさん、子どもを育てるようになったときに、子どもは好奇心があるから、ストーブが赤くなっていたら、「面白そうだ、何だろうか」と思って、触るでしょう。あれを止めたらいけません。火傷をすれば、すぐに学習できますから、
好奇心には危険なこともあるんだ、という学習になりますから、ちょっと火傷をさせてあげるようにするのが教育です。
そうすると、子どもの脳の中で、好奇心と、危険を察知しなければいけないということで葛藤が生じます。
それが子どもを、用心もするが好奇心もある人にしていきますので、「それは危ないからやめなさい」と言うと、危険を察知する能力が育つんじゃなくて、好奇心を抑制するようになります。
だからやっぱりナイフを使わせないなんていう今の教育は、どんどん健全さを落としてくことになるね。
好奇心のもう一つの危険は、好奇心は平和を壊すのね。だから社会のほうから好奇心を抑制する動きが起こってくる。
~中略~
だから、二つ危険がありますけれども、好奇心というものは常に前向きに行こうとするものですから、危険なほうへ危険なほうへと近づくものです。
個体にとっては危ないけれど、マルコ・ポーロでも誰でも、時代を拓いてきた人はみな好奇心の赴くままにそういう危険を冒してきた。
そういうことです。
神田橋 條治 (著), 黒木 俊秀 (編集), かしま えりこ (編集)
創元社; 初版 (2013/9/3)
P106
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