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海老 [言葉]

 私はいつもめでたい席で思い出すのでありますが、昔からめでたい席のお料理に海老が出る。
たいていの人は、えびというものは体が曲がっているから、男女が腰の曲がるまで、すなわち老年に至るまで長生きをして共に添い遂げるという意味でめでたい象徴としてこれを使うと思っている。
ところが、私の親友の研究家から、かつて非常に面白い話を聞いて、これだと思ったことがある。
 えびは、あんな硬い殻をかぶっているように思うが、実は生きている限りは際限なく殻を脱ぐのだそうです。あの殻が硬くなると、いつでもすっぽりと脱いでまた軟かくなる。
季節で言うと、たいてい秋になると物がこわばり、落葉したりするのですが、えびは秋になってもやはり殻を脱ぐ。すなわち生きている限りは、いつまでも殻を脱いで固まらない。
常に弾力性を持っているということから、いつまでも老いない。固まらない、常に若さを持ち続けるという意味で、すなわち永遠の生命、永遠の若さをシンボルするのだそうであります。 

安岡正篤
 運命を創る―人間学講話
 プレジデント社 (1985/12/10)
   P135

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