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介入は控えめに [医学]

 いつも介入の技術を向上させて、極めていかなきゃいけないけれど、自分の介入を控えて、止める判断力を持って、なろうことならそれを使わないで、できるだけ少ししか介入の技術を使わないで、自発的なものが出てくることに期待する。
手遅れになっちゃいかんけどな。「期待する」という見極めがまた、ケアの精神から来ているわけです。
~中略~
 小野寺先生(住人注;九大の第三内科の初代教授、小野寺直助先生)は「どこがこの病態のポイントか。そこだけ処方しておけば、そこがよくなると生命体全体の機能がよくなって、残った部分は全部、自分で治っていく。だからいちばんのポイントを探して処方すれば、薬は少しでいい。
少しというのは量ではなくて種類のこと。一つか二つかでできるはずだから、少なくともそれを目指すべきだ」という話をなさっていました。
「介入をできるだけ控えて、そして生命体の持っている自然によくなっていく力に、いつも介入者のほうが一歩譲るということが大事だ」とおっしゃっていたんですが、それもさっきから言っているケアの精神から来ているわけよね。

神田橋條治 医学部講義
神田橋 條治 (著), 黒木 俊秀 (編集), かしま えりこ (編集)
創元社; 初版 (2013/9/3)
P226

黄檗山万福寺 (15).JPG黄檗山万福寺

P228
 面白いのは、謙虚になるためのいちばんの近道は、技術がすごくうまくなることなんですね。下手くそなうちはやり過ぎるの。
 たとえば剣術で言うと、すごく技術が上に行くと「無刀取り」とか言って、自分は刀を抜かないで向こうから切ってくるとパッと刀を取り上げちゃう。テレビによく出てくるじゃない。その人は刀を振り回すことができないのではなくて、刀を振り回すのは上手になり過ぎて、卒業して、もうせんの。
技術はうんと上手になれば、あんまり使わないようになるの。そこで謙虚がうまれてきます。


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