山に登る [所感]
登山なんてかっこいいもんじゃない。へばって、這いつくばって登って、ひざがガクガクになりながら下る、山登りが好きなだけ。
基本体力がない。
熱中症を恐れて、担ぐ水の量を増やすと体力がすり減る。
初心者なので何かあったらと不測に備えると、非常食やら何やらこれまたザックの重量が増す。
アイポットなどあれば楽しみが増えるにちがいないが、これまた担げる荷物の重さと相談しなければいけない。
本当に必要なものは考え方次第で少なくできるのかもしれない。
人を生きることにどこか似ている。
山に登るといろいろなことを教わる。
馬寄村の住人
日本人の登山に対する意識の歴史を三期に分けて考えると、まず主流は信仰登山。これは一千年以上続いた。次に明治時代に西洋から入ってきた近代登山、そして現在の観光登山があります。
~中略~
信仰登山の時代にも観光登山はありましたが、富士山の世界文化遺産登録で、観光登山が前面に出てきました。今後、いかに環境を守りながら、整備していくかということが問題ですね。
そこで私は思うのです。日本人が約一千年かけて築いてきた信仰登山の在り方を通して、環境に配慮した観光登山の在り方を見直していってはどうか―と。
そういう意味で、山岳修験道の歴史を色濃く持つ西日本最高峰の石鎚山は、新たな観光登山の在り方を示すという課題を担っているのではないでしょうか。つまり、参拝という言葉に象徴される信仰登山を中心に置きながら、近代登山の装備や技術を生かし、新たな観光登山を見出していくということです。
山折哲雄の新・四国遍路
山折 哲雄 (著),黒田 仁朗(同行人) (その他)
PHP研究所 (2014/7/16)
P175
コメント 0