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いうことは言おう [処世]

米国民全体の歴史的記憶としての日本は、かつてナチス・ドイツと同盟して米国と戦った敵国であり、真珠湾を卑怯にも奇襲した国でしょう。それだからこそ広島に原子爆弾を落として降伏させたのであって、原子爆弾を落として日本人を何十万人殺して何が悪い、という程度の知識かと思います。
 アメリカ人に「陰険な」を意味する「スニーキー」sneakyという形容詞で何を連想するか尋ねてご覧なさい。「ジャパン」とか「ジャップ」と答えるでしょう。
ルーズベルトが米国を第二次世界大戦に参戦させるために日本海軍の真珠湾奇襲の直後、米国議会で日本に対する敵愾心を煽ろうとして叫んだとき以来、この「陰険な」という形容詞は日本と結びついてアメリカ人の民族的記憶の中に刷り込まれました。
 戦艦アリゾナが轟沈して千人余のアメリカ将兵が犠牲になったことをアメリカは声高に宣伝したから、米国民は憤激しました。しかし日本海軍が攻撃を軍施設に絞ったため、民間人の犠牲者が六十八人にとどまったことを世間は知りません。
 私は原爆搭載機エノラ・ゲイのスミソニアン博物館での展示の是非をめぐって騒動が持ち上がった時、英文の「タイム」誌に投稿して原爆が人道的であるか非人道的であるかは市民と軍人の死傷者の比率でわかる。そういう見方をすれば日本海軍の真珠湾奇襲はむしろ武士道にかなったものであると説きました。
掲載されたのはアジア版だけでしたが、「あなたはよくそんな思い切った主張ができるな」と言われました。
しかし一部の人にナショナリストと目されようとも、言うべきことは言わなければならない。何を比較の基準にするかによって、判断は一変し、正邪はところを変えるのです。


日本人に生まれて、まあよかった
平川 祐弘 (著)
新潮社 (2014/5/16)
P69


日本人に生まれて、まあよかった (新潮新書)

日本人に生まれて、まあよかった (新潮新書)

  • 作者: 平川 祐弘
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/05/16
  • メディア: 新書

 





DSC_0712 (Small).JPG達身寺

P167
戦前の日本警察に取って代わった国民党支配を、台湾人は「犬去って豚来たる」といいました。
国民党は台湾支配の最初の五百日間に、五十年間の日本統治よりも多い台湾人を処刑しました。
そんな大陸渡来の外省人しはいであってみれば、日本帝国の統治の方がまだましと台湾人が感じたとしても不思議はないでしょう。だが八八年以降、新聞も劇的に代わりました。台湾生まれの本省人による「自由時報」の投書欄が賑わいます。
逮捕の恐れがなくなれば人間は次々と話し出します。日本の先人の努力が台湾でどのように評価されているかは私にも聞こえてきました。

P170
世間には西洋の植民地支配は肯定するが、日本のそれは非難する者がいます。偏した見方ではないでしょうか。
ライシャワーも歴史教科書「東アジア―近代の変革」で台湾統治を否定的に記述しています。しかしそんな歴史教育を受けた世代の米国人教授は現地で「台湾人は日本が大好きだぜ」と驚いています。

P178
理工系の学者は西洋の学者と対等にやりあいます。彼らにとって英語の上手下手は二義的なことです。だが法文系の日本人が外交官、外国語教授、新聞記者をはじめ外国人との応酬が下手で、腰がひけているとすれば遺憾です。
それは日本の生存(サーヴァイヴァル)、日本が生き残れるかという問題と関係します。外国語で自己主張できない人がややもすれば「イエス」「ウイ、ウイ、セサ」「対(トエ)、対’(トエ)」と相手の主張に同調しがちなことは知られています。
~中略~
 日本人が外国語できちんと論理的に自己主張しない限り、この地域社会で我が国は、このままほうっておけば捕鯨問題や。また性奴隷などと言い立てられる従軍慰安婦などの歴史問題に限らず、言いがかりをつけられ、歪んだ色眼鏡で見られ、妙なラベルを貼られたままになってしまうでしょう。


 

日本人に生まれて、まあよかった (新潮新書)

日本人に生まれて、まあよかった (新潮新書)

  • 作者: 平川 祐弘
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/05/16
  • メディア: 新書

 

 

「感じていることを伝えるのに謝る必要はない。感じている気持ちは本物だから」
政治家 ベンジャミン・ディズレーリ

ハーバードの人生を変える授業
タル・ベン・シャハー(著), 成瀬 まゆみ (翻訳)
大和書房 (2015/1/10)
P143


ハーバードの人生を変える授業

ハーバードの人生を変える授業

  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2014/03/07
  • メディア: Kindle版


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