孤立するのは損 [国際社会]
明治維新以来、国際社会の優等生として振舞ってきた日本が昭和に入ってなぜ「孤独の帝国」となってしまったのか。
それは非西洋の国の中でだた一国だけいちはやく近代化に成功した日本が、日英同盟が一九二二年廃棄されて以来、頼るべき強力な友邦をもたなくなってしまったからです。
日本語は日本でしか話されていません。
英仏独露西中などの言葉がこの地球上の複数の国で話されているのと違い、日本はもともと兄弟国のない、孤独な文化、孤独な宗教の国で、本来的に友邦はないのです。
日本人に生まれて、まあよかった
平川 祐弘 (著)
新潮社 (2014/5/16)
P141
P143
当時(住人注;昭和十年代)の西洋世界には日本語が読めて日本をきちんと理解できた人はほとんどいません。
したがって、西洋人の日本理解はもっぱらナチス・ドイツとの類推で行われ、多くの誤解がそこから生じました。
ドイツと日本の双方の事情に詳しい上智大学のドイツ人神父ロゲンドルフは、積極的に戦争への道を選び組織的にユダヤ人虐殺を行ったナチスの指導者と同様に「日本の指導者を、戦争を計画し、故意に残虐行為を行なったとして裁判にかけたのは、実にばかげたことだった。連合国は自分たちで作り上げた反日プロパガンダを自分たちまでも信じ込むようになったのである」とBetween Different Cultures で観察しています。
しかし外国人の日本認識の根底には今日にいたるまで、戦争中に流布されたその強烈な日本悪玉イメージがあります。
P158
海外旅行者の多くは自国内に根づいた既成のイメージに従って外国を観察しがちなものですが、しかしそれでも観光旅行の教育的価値は無視できません。
また日本を訪れる海外旅行者が年に一千万人に達したという数字もすばらしい。日本人が口下手でも、日本人のおもてなしの良さは必ずや人の心を打つからです。
韓国では根強い反日教育があるにもかかわらず、韓国の観光客は九州へ来ます。福岡のバスは韓国語の案内もある。いいことです。
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