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勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求める [処世]

 勝を見ること衆人の知る所に過ぎざるは、善の善なる者に非ざるなり。
戦い勝ちて天下善なりと曰うは、善の善なる者に非ざるなり。
~中略~
古えの所謂(いわゆる)善く戦う者は、勝易きに勝つ者なり。
故に善く戦う者の勝つや、(奇勝無く、)智名も無く、勇功も無し。
故に其の戦い勝ちて忒(たが)わず。忒わざる者は、其の勝を措(お)く所、已(すで)に敗るる者に勝てばなり。
故に善く戦う者は不敗の地に立ち、而して敵の敗を失わざるなり。
是の故に勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む。

新訂 孫子
金谷 治 (翻訳)
岩波書店; 新訂版 (2000/4/14)
P57



伊勢神宮 外宮 (36) (Small).JPG伊勢神宮 外宮

P38
 これ(住人注:勝ち目のない戦いには臨まず、圧倒的に勝てる態勢を作って、できたら戦わずに勝つ)が実践されているのが、実は動物の世界である。
彼らの世界では強い者が生き残るという考えがある。しかし、これは大きな間違いだ。正しくは、「環境に柔軟に対応する者」が生き残る。同じ種の中で身体が大きく戦闘的な者が生き残るわけではないのだ。
P39
 アグレッシブな人間が多いと思われている欧米では、過剰に戦闘的な人間の評価は芳(かんば)しくない。ハリウッド映画の中で、さまざまな業界で活躍する主人公たちが激しくライバルや上司と衝突するシーンがあるが、現実では珍しい光景だから映画やドラマで取り上げて表現しているのだ。自己主張が激しすぎる人やすぐに感情的になる人は、ビジネスパーソンとして未熟という烙印を押される。
 むやみに戦わないほうが、人生というサバイバルレースではいい結果を生むことがあるのは、動物の世界でも人間の世界でも一緒なのだ。

頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法
田村耕太郎 (著)
朝日新聞出版 (2014/7/8)




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