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彼を知りて己れを知ればあやうからず [処世]

 吾が卒の以て撃つべきを知るも、而も敵の撃つべからざるを知らざるは、勝の半ばなり。
敵の撃つべきを知るも、而も吾が卒の以て撃つべからざるを知らざるは、勝の半ばなり。
敵の撃つべきを知り吾が卒の以て撃つべきを知るも、而も地形の以て戦うべからざるを知らざるは、勝の半ばなり。
 故に兵を知る者は、動いて迷わず、挙げて窮せず。故に曰わく、彼を知りて己れを知れば、勝 乃ち殆(あや)うからず。
地を知りて天を知れば、勝 乃ち全(まつと)うすべし。
~中略~
 身方の兵士に敵を攻撃して勝利を収める力のあることは分っても、敵の方に〔備えがあって〕攻撃してはならない状況もあることを知っていなければ、必ず勝つとは限らない。
敵に〔すきがあって〕攻撃できる状況があることは分かっても、身方の兵士が攻撃をかけるのに十分ではないことが分かっていなければ、必ず勝つとは限らない。
敵に〔すきがあって〕攻撃できる状況があることは分かり、身方の兵士にも敵を攻撃する力のあることは分っても、土地のありさまが戦ってはならない状況であることを知るのでなければ、必ず勝つとは限らない。
 だから戦争のことに通じた人は、〔敵のことも、身方のことも、土地のありさまも、よく分かったうえで行動を起こすから、〕軍を動かして迷いがなく、合戦しても苦しむことがない。
だから、「敵情を知って身方の事情を知っておれば、そこで勝利にゆるぎが無く、土地のことを知って自然界のめぐりのことも知っておれば、そこでいつでも勝てる。」といわれるのである。

新訂 孫子
金谷 治 (翻訳)
岩波書店; 新訂版 (2000/4/14)
P139


伊勢神宮 外宮 (54) (Small).JPG伊勢神宮 外宮


P74
 事を成すために、経営者であろうが、学者だろうが、政治家だろうが、行政官だろうが、必要な能力がある。それは「相手の気持ちを見抜く力」だ。
この能力を持つ人が一番賢い人であり、この力さえあれば、あなたの人生は「鬼に金棒」である。

P76
 他人の気持ちがわからずに、その能力を十分に活かせなかったり、途中で挫折したり、消えてしまうエリートをたくさん見てきた。
どんなに鋭い分析力を持っていようとも、世の中にインパクトを与えたいなら、まずは力を持つ人の気持ちを理解し、巻き込み、動かすことが必要になる。
 対人関係に関する行動では、どんなときでも、まず相手の気持ちを考えることから始めるのだ。そうすれば、アホと戦う必要はなくなる。自分の目的を強く思うのと同じくらい相手の気持ちを読むことは大事である。この能力を訓練して身につければ、アホをも自分の目的のために動かせるようになる。

頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法
田村耕太郎 (著)
朝日新聞出版 (2014/7/8)










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