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日本的ヒーロー [日本(人)]

 とかく日本には、歴史中に隠れた参謀を創造する風潮がある。典型的なのは武田信玄の策士であったといわれている山本勘助だ。
これは日本人の英雄観に一つの原因がある。日本人は世俗的に最後まで成功した人を英雄とは見ない場合が多い。
日本の歴史のなかでやたらに評判がいいのは、まず日本武尊から始まり、菅原道真、源義経、加藤清正、そして西郷隆盛である。いずれもそんなに偉いことをやったわけではない。
 一方、本当の巨人、頼朝や家康や大久保利通があまり評判が良くない。このように日本人は、世俗的に成功した人ではなく、世俗的にどこか不運な影を持つ人を英雄視する。
つまり、日本人の英雄観には「子孫に美田を残さず」というようなところがある。


歴史からの発想―停滞と拘束からいかに脱するか

堺屋 太一(著)
日本経済新聞社 (2004/3/2)
P142

伊勢神宮 内宮 (100).JPG伊勢神宮 内宮



タグ:堺屋 太一
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