がん治療≠手術 [医学]
日本は、がん患者の25%程度と、世界でいちばん放射線治療が行なわれない国です。これは、先進国との比較にかぎったことではありません。アジアの国々との比較でもいえることです。
そもそもアジア諸国の医学生は米国の英語で書いてある教科書を使って勉強します。
米国では、がん患者の65%が放射線治療を受けています。自然に米国と同じ国際標準のがん治療が推進されます。これに対して、日本語ほど、外来の専門用語の翻訳に長けた言語はないせいか、英語が苦手なのか、日本の学生はほとんど日本語の教科書を使います。
がん治療の教科書は、ほとんど外科の大家の先生が執筆していますから、当然のことですが、学生は「がん治療=手術」と教育されてしまいます。
これが日本のがん治療が、国際的に見て特殊といわれる理由の1つです。
自分を生ききる -日本のがん治療と死生観
中川恵一 (著), 養老孟司 (著)
小学館 (2005/8/10)
P24
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