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荘子 [雑学]

  荘子(そうじ)とういうのは、蒙の人である。名は周(しゅう)。かつて蒙で漆園(うるしばたけ)管理の役人であった。梁(りょう)の恵王や斉の宣王と同じころである。
 かれの学問はひろく、あらゆる学派の説に通じていた。けれども根本的な点では老子の説いたところにおちつく。かれの著書は十余万字、おおむねは架空の人のことばである。漁夫(ぎょほ)・盗跖(とうせき)・胠篋(きょきょう)などの篇を作って、孔子の弟子をそしり、老子の思想を明らかにした。
畏累虚(いるいきょ)や亢桑子(こうそうし)などの類も、空想の対話であって事実ではない。~中略~
楚の威王(いおう)は荘周を賢者だと聞き、使者をたて手厚い贈り物を与えて迎え、宰相にすると約束した。荘周は楚の使者に向かい、笑いながら言った。「千金の利益は重く、卿(けい)・相(しょう)は尊い位だが、おぬしは郊(こう)の祭に生贄にされる牛を見たことないか。
何年も飼育して、繡(ぬいとり)の着物をきせて、大廟(おたまや)へ引きこむ。その時になって、小さな豚になりたいと思っても、それができようか。おぬしはすみやかに去れ。わしをけがしてくれるな。わしはきたない溝の中ゆるゆると泳ぎまわるのが愉快なのだ。国をもつ者にしばられることなく、一生仕えず、わしの心のままにしているまでだ」。
老子・韓非列伝 第三

史記列伝1
小川環樹 今鷹真 福島吉彦 訳
岩波書店 (1975/6/16)
P26







DSC_1721 (Small).JPG吉野ヶ里遺跡


タグ:司馬遷 荘子
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