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エコロジーもエコノミーが絡む [社会]

 たとえば、カリフォルニアのシエラネバダ山脈のセコイアの森では、ひとつの森で、約三年から三五年に一度の割合で山火事が発生するというデータがある。
四〇〇年生きている木ならば、少なくとも一〇回以上の山火事に耐えて生き延びてきたわけだ。ジャイアント・セコイアのように数千年の年輪を数える巨木にいたっては、数十回、百数十回という火事を乗り越えて生き残ったことになる。
 一九八八年に、四ヶ月以上も燃え続けたイエローストーン国立公園の森林火災は、ぼくのなかに、まだ生々しい記憶として残っている。 ~中略~
 この火災の後、アメリカに大きな論争がわき起こった。国立公園の火災は消すべきか。これが焦点だった。じつは、この火災がこれほどまで大きくなった原因には、明確な理由がある。~中略~
 論争は、おもに合衆国国立公園局と合衆国森林局のあいだで激しく行われた。
森林局にとっては、樹木自体が財産である。国立公園局にとっては、長い目で見れば、エコシステムそのものが財産である。問題は、森林火災は森林局管轄の国有林と国立公園の境界線に関係なく燃え広がるということだ。
 国立公園の管理プランは、当然大幅に見直された。もちろんエコロジー中心の考え方は変えていない。そして、天候や植生、地域などによって、よりきめ細やかに管理する体制が整えられた。

自然の歩き方50―ソローの森から雨の屋久島へ
加藤 則芳
(著)
平凡社 (2001/01)
P56


自然の歩き方50―ソローの森から雨の屋久島へ (平凡社新おとな文庫)

自然の歩き方50―ソローの森から雨の屋久島へ (平凡社新おとな文庫)

  • 作者: 加藤 則芳
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2001/01/01
  • メディア: 単行本

 



DSC_1779 (Small).JPG吉野ヶ里遺跡


タグ:加藤 則芳
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