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赤提灯でぶっちゃけ(打ち明け) [社会]


昔の日本はアメリカと違って、カウンセラーやセラピストをあまり必要としない社会でした。あまり化にはない人間関係の文化が定着していたからです。
 それはいわゆる「飲みニケーション」にほかなりません。「赤提灯文化」といってもいいでしょう。
以前の日本では、一日の仕事を終えたあと、会社の同僚などの親しい仲間と赤提灯で一杯やるのが日常的な風景でした。
 アメリカ人は、これをほとんどやりません。その背景には、男同士で飲み屋に入るとホモだと思われるのが怖いという事情(これも「ホモ・フォビア)(ホモ恐怖症)」の一種といえるでしょう)もあったのですが、それはともかく、アメリカの「飲みニケーション」はパーティが中心です。
パーティは基本的に社交の場なので、愚痴や弱音などの本音を口にできません。
 そのせいもあって、アメリカ社会では昔からカウンセラーやセラピストのところに通うのが当たり前の習慣として根づいていました。
アメリカの場合、家庭に帰っても、奥さんに「愛してるよ」などと建前をいわなければいけないので、本音をいえる場所が、ほかにあまりないのでしょう。
 それに対して、日本のビジネスマンは赤提灯でいくらでも本音を聞いてもらうことができました。そういう場があったのは、男性サラリーマンでけではありません。学生や主婦なども、それぞれ仲の良い友達と喫茶店や井戸端で本音をいい合う機会があったのでしょう。
アメリカのパーティは夫婦同伴が基本なので、家庭の愚痴などこぼせませんが、日本人の場合、ダンナはダンナ同士、主婦は主婦同士で集まることが多いので、「うちのダンナときたら・・・」といったボヤキを聞いてもらえるわけです。

自分が「自分」でいられる コフート心理学入門
和田 秀樹
(著)
青春出版社 (2015/4/16)
P92





興福寺 (35).JPG興福寺






タグ:和田 秀樹
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