食料自給率 [言葉]
農林水産省の「食糧需給表」によると、二〇一二年度の国民一人一日当たりの動物性たんぱく質摂取量は、鶏卵5・6グラム、牛乳・乳製品7・8グラム、畜肉15・1グラム、魚介類は15・5グラムです。
二〇一二年度の「水産白書」によると食用水産物の自給率は約六割ですから、自給できている水産物由来のたんぱく質は約9・3グラム。
もし、これをすべて畜肉で賄うとすれば、おそらく200~300万ヘクタールの飼料用耕地がひつようで、現在の国内の全耕地面積の二分の一から三分の二に相当します。三〇〇万ヘクタールなら岩手県二個分の耕地、牛肉だけで賄おうとすれば、さらにその三倍、北海道ぐらいの耕地が要る計算になります。
肥料もいらない海が広大な耕地に替わる役割を果たしていて、十分な動物性たんぱく質を海から供給できるということは、国際的なストロングポイントなのです。
日本の畜産品(牛乳や卵を含む)の自給率はカロリーベースで約83%ですが、その飼料の八割以上を輸入に依存しているため、実質的な自給率は16%にすぎません。
日本人が知らない漁業の大問題
佐野 雅昭 (著)
新潮社 (2015/3/14)
P33
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