人は、必ず死ぬ。しかし、言葉を遺すことはできる。どんなに無名であってもどんなに不遇であっても、人間が、物事を真摯に思索し、それを言葉に遺してさえいれば、それは後世の人々に伝わって、それが叡智となる。
この叡智のつみかさなりが、その国のに生きる人々の心を潤していくのではないか。
書庫のなかでみた日本人の叡智の蓄積は想像を絶するものであった。津々浦々に、けっして教科書には書かれない埋もれた人物が、山のごとくいた。記されていた言葉は海のごとく広くそして深かった。
日本人の叡智
磯田 道史 (著)
新潮社 (2011/04)
P10
福岡空港→新千歳
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