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胸腔鏡手術 [医学]


   私は外科医ではないが、外科医を見渡すとこういう胸腔手術を勧めるか否かで真っ二つの趣がある。私の周囲には否定派が多い。私も懐疑的である。
 しかし例によってマスコミでは、「リンパ節など他に転移がなければこれで十分」という記事をよくみかける。一見もっともであるが、他に転移がないって、どうやって分かるのか。
私は、この胸腔鏡手術で手術されたがために、その後、「なかった」はずのリンパ節転移で再発し、抗癌剤と放射線治療でなんとか病巣をコントロールしたが、非常に苦労した患者さんを知っている。
この方は、最初の時点で普通に手術してリンパ節もきちんと取っていれば再発しなかったはずである。これはそもそもの外科医の手術選択が間違っていたのである。きわめて悪意が入っているかもしれないが、私には医師が流行の胸腔鏡手術をしたかったのだとしか解釈できない。
~中略~
本当に、通常の開胸手術と同じクオリティの切除が胸腔鏡手術でできるのか?私の周囲には、「できない」という外科医が多い以上、疑いの眼にならざるを得ない。

偽善の医療
里見 清一(著)
新潮社 (2009/03)
P186




タグ:里見 清一
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