座右の書 [学問]
単なる知識というようなものは意味のないものです。なるべく心に刻みつけられて、末永く役に立つようにするのに、一番いいことは愛読書を持つことです。
ただたくさん講義を聞き、たくさん書物を読んだだけではなんにもならない。愛読書というものを一冊でも二冊でも持って、それを生涯離さない。言い換えれば、生涯離せないような愛読書、これを座右の書という。
そういう心の通う、心に刻みつけられるような愛読書を持つことを心がけると同時に、克己的に理性的に持つのではなくて、心の中の自然、必然の要求から離せないような書物を持つということだ。
知命と立命―人間学講話
安岡 正篤 (著)
プレジデント社 (1991/05))
P151
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