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原発問題は解決していない [社会]

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早野 いまの時点(住人注;2014年8月)で明らかなのは、さまざまな調査や測定の結果、起きてしまった事故の規模にたいして、実際に人々がこうむった被ばく量はとても低かった、ということです。
とくに、内部被ばく(おもに食べ物や水によって、体内に放射線源を取り込んでしまったことによって起こる被ばく)に関しては、実際に測ってみたら当初想定したよりも、かなり軽いことがわかった。「もう、食べ物については心配しなくていいよ」と言えるレベルです。
糸井 福島県産の野菜や米なんかは、他の産地のものと比べても、全然大丈夫ってことですよね。
~中略~
糸井 あえて訊きますけど、例外があるとすれば?
早野 避難区域内の裏山に生えている野生のキノコや山菜を大量に食べたり、野生のイノシシを捕って丸ごと食べたりしなければ大丈夫・・・・あ、でもそれは流通してませんから、例外にさえなりませんね。

P21
早野 ただ、ここできちんと言っておきたいのは、「内部被ばくが軽かったということ」は、ぼくも心からよかったた思っているけれど、「もともと起こってしまった事故」は全然OKじゃない、ということ。こんなことは、想定外の規模であろうが未曾有の災害であろうが、そもそも絶対に起こしてはいけない。
防ぐチャンスはいろいろあったにもかかわらず、それを無視してきて、こんなことになってしまった。
~中略~
事故の後、さまざまな数値を測ってみたら、内部被ばくはそれほどひどくなかった。とくに避難区域外にいる人たちにとっては、まったく問題ないと言える状況になった。けれども、だからといって、そのもともとの事故からすべてがOK になったわけでは決してない、ということは明言しておきたい。大本の問題を含めて、まったく解決しているわけではない。

知ろうとすること。
早野 龍五 (著), 糸井 重里 (著)

新潮社 (2014/9/27)



 

知ろうとすること。(新潮文庫)

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  • 発売日: 2015/05/01
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DSC_2497 (Small).JPG出雲大社


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