プレ・パフォーマンス・ルーティン [ものの見方、考え方]
ボストン・レッドソックスの上原浩治投手も、シーズン中に判で押したような毎日を送るそうです。試合当日も、ナイトゲームなら昼過ぎに球場に入り、ほぼ決まったメニューの食事をとり、マッサージを受ける。それからウェイトトレーニングを行い、試合前のウォ―ミングアップ。試合がはじまれば、二イニングか三イニング目にブルペンに向かうといいます。
その一連の流れが上原投手の準備であり、それを積み重ねるからこそ、結果が出る―上原投手は著書のなかでそのように語っています。
事実、長生きされている方も、毎日同じ時間に起きて、同じものを食べて、同じことをする・・・・・というリズムを崩さない方が多い。そうすることが心理的安定につながっているのです。
ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」
荒木 香織 (著)
講談社 (2016/2/19)
P34
P36
パフォーマンスの前に行うルーティンがあるなら、パフォーマンスのあとに行うルーティンはないのか?
じつはあります。プレ・パフォーマンス・ルーティンに対して、ポスト・パフォーマンス・ルーティンと呼びます。ポスト、つまりパフォーマンスのあとに、一定の動作を、一定の順序、リズムで行うのです。
よく見れれるのが、テニスでミスショットをした選手が、そのあとで素振りをするケース。あれは、失敗したら、必ず成功したときのことをイメージして素振りをすることで、ミスを引きずらず、次のプレーに集中して臨むことができるようにするために行うものです。
P42
スポーツにかぎったことではありませんが、自分でコントロールできない、変えられないことに対して気を揉(も)んでも、何の解決にもなりません。時間とエネルギーを浪費するだけです。
ならば、その時間とエネルギーを自分ができることに費やすほうが、よほど建設的だと思いませんか?
私の場合は、「好きな音楽」を使って「自分をコントロールする習慣を持っています。
~中略~ この曲を聴けば「パブロフの犬」のごとく、歩く姿勢が堂々となるのです。
このことは、心理学用語で「アンカリング」とも言います。アンカリングとは、五感の情報をトリガーとして、特定の反応が引き出される仕組みのことを指します。船のアンカーを降ろすがごとく、ある事柄を心に根差すことにより、反応を深層心理より起こすのです。
休憩時間を必ずコーヒーブレイクとする、ストレッチをする、おいしいものを食べるなど、きっかけは何でもオーケーです。定期的に実践し、日常生活の一部にこのサイクルを定期的に組み込んでしまいましょう。
要は、サイクル化することで、自分を良好なサイクル、つまり、「快」の状態を意識的に作りあげてしまうことが重要です。
ワーキングストレスに向き合う力-スポーツ分野で話題のストレスコントロール手法<コーピング>でビジネスに強くなる-
坂上 隆之 (著)
日刊工業新聞社 (2015/2/25)
P93
ワーキングストレスに向き合う力-スポーツ分野で話題のストレスコントロール手法<コーピング>でビジネスに強くなる- (B&Tブックス)
- 作者: 坂上 隆之
- 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
- 発売日: 2015/02/25
- メディア: 単行本
梅干しを見ていると、すっぱい感覚がわきおこり、自然に唾液が出てきます。
「仰げば尊し」のメロディーを聴くと、いや、「仰げば尊し」という曲名を聴くだけでも、卒業式が頭に浮かびます。
このように、何らかの刺激が引き金となって、特定の反応が起きることはよくあります。
刺激と反応の組み合わせは、自然にできるものもありますが、意図的に作り出すこともできます。
刺激と反応の組み合わせを作ることを「アンカリング」(anchoring)といいます。
アンカリングは自分の中にスイッチを作るようなものです。アンカリングによって、勉強するときは集中力のある状態になることができます。
バッターボックスで特定のしぐさをすることによって集中力の高い状態を作り出すプロ野球選手がいますが、これもアンカリングの一例です。
特定の反応を起こす引き金となる刺激のことを「アンカー」(anchor)といいます。アンカーは「碇(いかり)」という意味です。碇を下した時のように、自分の状態が固定されるものです。
視覚、聴覚、体感覚といった五感の刺激がアンカーになります。
脳と言葉を上手に使う NLPの教科書
前田 忠志 (著)
実務教育出版 (2012/3/23)
P166
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