ちゃんとしよう [倫理]
もうひとつ、日本代表の選手たちに提案したことがありました。
「ラグビー以外の行動をきちんとやろう」
きちんと食事をとる。疲れを残さないために決められた量のプロテインやスムージーをきちんと摂取するといったことは当然ですが、ほかにも靴を脱ぐときは揃えて脱ぐ。ちらかっていたらきちんと並べる。ペットボトルなど放りっぱなしにしない。
バスを降りるときは、ゴミが残っていないか必ず確認する・・・・・。
一見、些細な、どうでもいいように見えることでも、きちんと守ろうと提案したのです。
「ラグビーとどういう関係があるんだ」
そう思われるかもしれません。
けれども、そうした規律の部分は絶対に試合に出るのです。
しなければいけないことをする。これは自分の行動の責任をとるということにほかなりません。
それは、ピッチの上での自分の役割と責任を明確にし、やるべきことを責任を持ってするのと一緒。規律をないがしろにしていると、ピッチの上でも自然にそうなってしまうのです。
~中略~
「つねに個々が自分の役割ご責任をしっかり確認できるよう、ラグビー以外での行動にも責任を持つ、人から言われなくても、するべきことは自分でちゃんとできるようになろう」
と提案したのです。
ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」
荒木 香織 (著)
講談社 (2016/2/19)
P80
自分の脱いだ靴の始末ができない人は、「そんな小さなこと、どうでもいいじゃないか」と思っているのかもしれません。あるいは、頭の中が忙しく、自分が靴をそろえていないことにすら気づいていないのかもしれません。
それだけ、心が乱れているということです。
小さなことをきちんとできない人が、大きい目標を達成できるわけがありません。
遠くへ行きたいと思えば、今は便利な交通手段がたくさんあります。しかし、どんな方法を使うにせよ、結局は一歩ずつ、自分の足で歩みを重ねて体を運んでいくしかないのです。着実な一歩を重ねられる人だけしか、目的地にはたどり着けません。
靴をそろえる。数秒もかからない小さなことですが、生き方全体を変える大きな力を持っています。
怒らない 禅の作法
枡野 俊明 (著)
河出書房新社 (2016/4/6)
P115
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