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刺激に反応してしまう [処世]

実は、私たちの日常は「心の反応」で作られているといっても、過言ではないのです。
 たとえば、朝の通勤ラッシュで「今日も混んでいるな」とゲンナリする。これは、心を憂鬱にさせる反応です。心ない相手の態度にイラッとする。これは、怒りを生む反応です。
大事な場面で「失敗するかもしれない」と、マイナスの想像をしてしまう。これは、不安や緊張を生みだす反応です。人と会うときも、仕事をしているときも、外を歩いているときも―心は、いつも反応しています。
 その結果として、日ごろのイライラや、落ち込みや、先ゆきへの不安やプレッシャー、「失敗してしまった」という苦い後悔などの”悩み”が生まれます。
 というのは、悩みの始まりには、きまって”心の反応” があるのです。
心がつい動いてしまうこと―それが悩みを作り出している”たった一つのこと”なのです。
 だとすれば、すべての悩みを根本的に解決できる方法があります。それは―”ムダな反応をしない”ことです。

反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」
草薙龍瞬 (著)
KADOKAWA/中経出版 (2015/7/31)
P2

DSC_2782 (Small).JPG島根県立美術館

 わたしたちの思考パターンの基礎は、さまざまな拡(ひろ)がりをもった回路に支えられていて、わたしたちは練習により、それを細かく調べることができるようになります。
まず第一に、それぞれの思考パターンには主題があります。
主題とは、意識的に考えていることですね。たとえば、わたしが小さな犬、ナイアのことを考えているとしましょう。ナイアは天国に行くまでの八年間、この本を書くのを手伝ってくれ、いつもわたしの膝(ひざ)のうえに座っていました。
ナイアについて考えるのは、脳の中の特殊な回路です。
第二に、それぞれの思考パターンには、感情の回路がつながっていることがあります。ナイアは素敵な可愛(かわい)い生きものでしたから、ナイアのことをを考えるといつも大きな喜びを感じます。脳の中で、ナイアが主題の回路と喜びの感情回路が密接につながっているのですね。
最後に、こういった思考と感情の特殊な回路は、複雑な生理回路にもつながっています。生理回路は、刺激を受けると予測可能な行動をもたらすのです。
~中略~
 しかし、このワクワク活(い)き活(い)きした回路に加えて、ナイアのことを考えると、愛犬の死による喪失感に襲われ、激しい悲しみの反応を示す傾向があるのです。
こうやって考えが変化すると、その基礎をなす感情的・心理的な回路のせいで、あっという間に目には涙があふれます。深い悲しみのループに捕まって胸は重苦しくなり、呼吸は浅くなり、感情的に落ち込んでいく。膝の力が抜けて、エネルギーは弱まり、暗黒のループに屈服するのです。
 こういった情熱的な思考や感情は、たちまち心の中へ飛び込んでくる可能性をはらんでいます。でも、その持ち時間九〇秒が過ぎれば、意識的にどの感情・心理ループに接続したいかを選ぶことにしています。
怒りや深い絶望の回路の中にどれくらいの時間、とどまるべきかに気をつけることは、健康にとってとても重要です。
長時間にわたってマイナスの感情に染まったループに捕えられてしまうと、それが感情的・生理的な回路に対してもっている力のせいで、からだや精神には大きな打撃となります。

奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき
ジル・ボルト テイラー (著), Jill Bolte Taylor (原著), 竹内 薫 (翻訳)
新潮社 (2012/3/28)
P252


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