楽訓 [養生]
貝原益軒は、健康書のはしりの「養生訓」で知られるが、実は「養生訓」を発表する前に、「楽訓(らくくん)」という本を書いている。
~中略~
「楽訓」では全三巻にわたり、人生を楽しむ意義と、楽しむ方法が述べられている。
「人の心のうちにもとよ此れ楽(たのしみ)あり」と言っており、、「楽は是、人の生まれつき楽しむために生まれてきたのだ。楽しまないことはこの世の道理にそむくとまで言い切っているから、痛快だ。
益軒の言う楽とは、「つねに我が心の内に、天機(てんき)の生きてやはらぎ喜べる勢いの止まらざるものあり。これを名づけて楽と云ふ」とあるように、生きていることを心穏やかに喜べる、そうした境地を指している。
こうした境地は、老後にこそ、到達できるものだろう。端的にいえば、老後は、心のなかに楽しさを満たして生きる、そんな時期だということだ。
精神科医が教える50歳からの人生を楽しむ老後術(
保坂 隆 (著)
大和書房 (2011/6/10)
P21
精神科医が教える50歳からの人生を楽しむ老後術 (だいわ文庫)
- 作者: 保坂 隆
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2011/06/10
- メディア: 文庫
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