放念 [対人関係]
何より都合がいいのは、お互いに失礼なことがあったり、至らないことがあっても、次の機会までに忘れてしまえることだ。
もし、あなたがこうしたことだけはしっかり覚えているとしても、「忘れたふり」をすればいい。この心遣いで、すべては水に流されてしまい、トラブルは起きにくくなるし、起きたとしても後を引かない。
「多くの忘却なくしては、人生は暮らしていけない」
フランスの作家バルザックはこんな至言を残している。
「もう、そんことは気にしないでください」という場合、「ご放念ください」ということある。
年をとったら、この「放念」が自然にできる。あるいは、ごく自然に見える印象でできるということだ。
精神科医が教える50歳からの人生を楽しむ老後術
保坂 隆 (著)
大和書房 (2011/6/10)
P226
精神科医が教える50歳からの人生を楽しむ老後術 (だいわ文庫)
- 作者: 保坂 隆
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2011/06/10
- メディア: 文庫
認知症の人に接するときは、事実関係やものごとがきちんと合っているかどうかは、正直どうでもいいのです。
異なる世界に歩み寄ることができる私たちが、認知症の「忘れる」という特性を上手に活かしてその場の空気を変えること。場合によっては笑顔を生み出して明るくすること。それが最も大切なことです。
認知症の人にも介護者にも「優しい関係」をつくり出す手段、それが私の提案する「引き算」を使った認知症介護なのです。
認知症の人がスッと落ち着く言葉かけ
右馬埜 節子 (著)
講談社 (2016/3/23)
P59
二一 遠からず君はあらゆるものを忘れ、遠からずあらゆるものは君を忘れてしまうであろう。
マルクス・アウレーリウス 自省録
マルクス・アウレーリウス (著), 神谷 美恵子 (翻訳)
岩波書店 (1991/12/5)
P123
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