自分が肝に銘じるために。住人が読んだ本から心に引っ掛かった文章集
裴矩は、隋の時は佞臣であって、心にもないことをいっていたのである。ところが唐となって太宗のもとに来ると、途端に直言を吐くようになった。これは性格が変化したわけではない。太宗が直言を喜ぶことを本能的に見抜いたからであり、これは一に、指導者によって部下がどうにでもなるという一例であろう。「オレの部下には、魏徴のように直言してくれる者がいない。現代は人がいないのだ」などとはいえないわけである。
帝王学―「貞観政要」の読み方 山本 七平 (著) 日本経済新聞社 (2001/3/1)P147
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