幻覚妄想は心から発信されている [哲学]
幻聴は心の問題であり、だから聾唖者であっても幻聴に悩まされることはある。幸か不幸かわたしは幻聴を体験したことがないけれど、たとえば統合失調症においては、本人の一挙手一投足に対して幻聴が小馬鹿にしたトーンでいちいちコメントしたりすることがあるという。
~中略~
幻聴対策として、耳に綿を詰める人がいる。もちろん幻聴は内なる声なのだから耳栓などまったく意味をなさない。だが、耳を塞がずにはいられない気持ちは察しがつく。
なべて幻覚妄想は自分の心から発信されている事象を外在化させてしまうところに本質があるわけで、だから耳栓がトンチンカンなコーピングであると患者は決して思わない。
「治らない」時代の医療者心得帳―カスガ先生の答えのない悩み相談室
春日 武彦 (著)
医学書院 (2007/07))
P191
タグ:春日 武彦
2017-10-10 00:00
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