選挙と世代間の利害対立 [社会]
投票率と年齢構成から、投票者の年齢階級別の構成比を計算してみると興味深いことがわかる(図Ⅱ‐7)。投票者の年齢構成の変化は、日本で政治的に力をもった年齢集団の変化を表している。
~中略~
つまり、常に団塊の世代が、政治の動向を決めてきたと言える。人口規模の大きな団塊世代は、自らの政治的な力の大きさをよく知っていたからこそ、高い投票率を維持してたのだろう。
競争と公平感―市場経済の本当のメリット
大竹 文雄 (著)
中央公論新社 (2010/3/1)
P153
芳一堂赤間神宮
P155
世代間の利害対立を発生させるのは、年金や医療だけの問題ではない。教育も同じである。
高齢者はすでに、自分の子供の教育費負担はなくなっている。そうすると、高齢者にとって公的な教育費を増加させることに直接的なメリットはない。
したがって、人口の高齢化によって投票数の増加という政治力を持った高齢者は、政府支出の中身を年金や医療といった高齢者向けのものを充実させ、教育費を低下させることにその政治力を使うだろう。
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