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高齢者の聴覚の特殊性 [雑学]

P53
 五感、いわゆる「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」はすべて、年齢を重ねるごとに衰えます。

P21
 高齢者は相手の話を無視することがあります。なぜでしょう?
「自分のことを嫌っているから」「興味がないから」「ボーっとしているから」などと思いがちです。
 ですが、「話しを聞いていない」のではなくて、「本当に話が聞こえない」人が多いのです。
70代で半分近く、80代以上では70%以上が難聴であることがわかっています。1)だから70代以上の人と話すと、ほとんどが「聞いていない」より「聞こえていません」。
~中略~  年を取って難聴になると、「ほとんど聞こえない」のではなくて「一部聞こえにくくなる」のです。高い音、特に若い女性の声が聞きにくくなります。だから、娘や嫁の会話だけ無視されることが多いのです。
~中略~
60歳以上になると、低い音(500Hz)と比べて高い音(2000Hz)だと1・5倍以上の音量がないと聞こえません。2)若い女性の声は男性の1・5倍大きくないと聞こえないのです(図1)。
~中略~
 やっぱり言ったことは聞いてもらいたい。そこで看護士さんのように伝わりやすくするにはどうすればいいか?こつは三つです。「低い声で、ゆっくり、正面から」です。
~中略~
 まっすぐ話しかけても聞き取りにくい高齢者には、聞き取りやすそうな耳、補聴器が入っている耳に直接話しかけると伝わりやすいです。実際に聞き取りやすそうな耳は、高齢者が無意識にあなたのほうに向けてくることもあります。

老人の取扱説明書
平松 類 (著)
SBクリエイティブ (2017/9/6)

老人の取扱説明書 (SB新書)

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  • 作者: 平松 類
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2017/09/06
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DSC_3784 (Small).JPG赤間神宮

P34
 まぜ大声になってしまうかというと、耳が悪いからです。話しているほうも聞いているほうも耳が聞こえにくいので、大きな声を出しているということに気づいていません。普通の会話だと思っているのです。

P35
 また高齢者は大声になってしまうだけでなく、音を不快に感じやすくなります。子どもの声や犬の鳴き声は、あなたが感じるよりもはるかに不快に捉えてしまうのです。だからこそ保育園が新しく建つのに反対したり、小さな子の声がうるさいと言ったりする高齢者がいるのです。

P36
 高齢者の耳は高音域が聞こえにくいにもかかわらず、リクルーメント現象といって、一定の音量を超えたとたんに急にうるさく感じてしまうのです。70歳以上では、うるさく感じる人が7割も増えることがわかっています。1)2)つまり、高い音は小さいと聞こえず、大きいと突然耳鳴りのように痛いほどの音になる、ということです。

P143
 聞こえていなければ「聞こえないからもう一度言って」「聞き取れなかった」と、高齢者が言ってくれると、多くの人が信じています。けれども高齢者は、ついつい聞こえているふりをしてしまうのです。
特に大人数で話している時は、「自分だけきこえなかったといって、会話の流れを止めたくない」という思いがあります。

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