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神経経済学 [言葉]

 神経経済学とは、行動だけからはわからない人間の意思決定の仕組みを脳科学の手法を用いて明らかにする研究領域である。
神経経済学は、今までの経済学者が「ブラックボックス」としてきた脳の意思決定のプロセスを明らかにしてくれる。機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて経済実験を行なえば、人々が経済的な意思決定を行う際に、脳のどの領域が働いているかを明らかにすることができるのだ。
 伝統的経済学は、人間が合理的に行動すると考えてきた。しかし、必ずしも合理的には行動していないことは、私たち自身がよく知っている。人間の意思決定や行動は、脳における情報処理の結果である。人間の非合理性も、脳の特性にもとづいているはずだ。
将来よりも現在を極端に重視したり、利益よりも感情を重視してしまう人間の特性が、脳の仕組みに起因しているのであれば、経済学の構築も社会の仕組みもそれを前提に考える必要がある。

競争と公平感―市場経済の本当のメリット
大竹 文雄 (著)
中央公論新社 (2010/3/1)
P90


タグ:大竹 文雄
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