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妄想 [言葉]

P115
 妄想を簡単に定義すると、「訂正不能の誤った考え」となりますが、自らの誤った考えが訂正できないということが問題です。
自分のことを噂されているように感じ、盗聴されているように思っても、家族や友人から「そんなことはありえない」と言われて修正できればよいのですが、どのように説明しても、その想いを立ち切れないのです。そして統合失調症の患者さんが訴える妄想内容は、自分が被害を受けているものがほとんどで、患者さんが感じる不安や恐怖は非常に強いものであると推測されます。

P118
妄想は病気の症状として現れていることであり、それを躍起になって否定しても、病気の改善が見込まれるものではないのです。そればかりか患者さんをより強い孤立に追い込んでしまうことも予想されます。
したがって妄想を否定せず、そのような病気であると受け止めて、患者さんと付き合っていくことが大切です。幻聴や妄想などの症状は、治療が適正になされ、その効果を見せ始めると、思い直すことが可能になっていくものなのです。

P174
治療には数ヶ月を要することもありますが、薬物療法が適正になされると、幻聴や妄想は消失するとともに、患者さんは過去の幻聴や妄想を見直すことができるようになります。
すると、「あの時はつらかったし、正しい判断ができず空回りしていた」、「幻聴や妄想は思い違いで、病気の症状だったんですね」といった振り返りができるようになっていきます。

精神科医はどのように話を聴くのか
藤本 修 (著
平凡社 (2010/12/11)

精神科医はどのように話を聴くのか

精神科医はどのように話を聴くのか

  • 作者: 藤本 修
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2010/12/11
  • メディア: 単行本

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タグ:藤本 修
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