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不毛な国会 [日本(人)]

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 無駄な会議こそ社会人生活最大のタイムコストである。この本を読んでいるあなたも、さまざまな場面で「この会議は無駄だなあ」と思うことがあるかもしれない。  その典型が国会だ。会議は開いてはいるものの、そこでのやりとりで国益のために生産的なものはほとんど生まれないからだ。
~中略~
現在の自民公明連立与党のように、両院で与党が安定的な過半数を持っている場合、法案が国会に提出されたときはすでに与党内審議を終えているため、基本的に議論は出尽くしており、与党は賛成で固まっている。そのため国会での審議で、賛否も内容もほとんど変わることはない。つまり、国会とは結論がすでに出ているにもかかわらず、時間を議論に費やしたことを証拠として残すためだけに行なわれる会議なのだ。そこに、議員の相当なタイムコストが費やされている。ちなみに、議員は一人当たりにつき4億円ほどの国費が投入されている。誰もが最悪に無駄だと感じるだろう。
 与党内審議にも政府内の議論にも参画できない野党にとっては、唯一の見せ場が国会の委員会・本会議での政府与党追求である。
そのため、野党にとっては国会の審議ほど重要な見せ場はないが、えてして国益の追求より、与党議員や閣僚のスキャンダル追及や自分の選挙区への「頑張っています」アピールの場になる。そのため、まじめな与党議員や閣僚にとって国会での時間浪費はたまったものではない。

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 もっと悲惨なのは閣僚である。両院合わせて月曜から金曜までほぼ終日委員会に縛りつけられ、いろんな質問に答えないといけない。ミスを犯さないように答弁のすりあわせもやるので、委員会開催中以外にも相当な時間が早朝から深夜まで費やされる。こうやって日本の省庁のトップの貴重な時間が失われていき、官僚主導になってしまう。
野党による与党追求の専売特許的謳い文句は、「○○大臣よ!あなたは政治主導ではなく官僚主導になっている。リーダーシップが足りない!」だが、皮肉なことに野党の質問こそが、大臣たちが省内でリーダーシップを発揮したり、政策を考えたりする時間やエネルギーを奪っているのだ。
 政治ニュースで、たとえば「この法案は70時間審議されました」などと言われているが、その70時間には、その法案に関係ない質疑や「お前、この前の審議聞いていなかったのか?」と言いたくなるような繰りかえしの同じ質疑がたくさん含まれているケースが多い。審議時間の長短にあまり意味はないのだ。

頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法
田村耕太郎 (著)
朝日新聞出版 (2014/7/8)

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  • 作者: 田村耕太郎
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2014/07/08
  • メディア: 単行本

 DSC_4357 (Small).JPG宇佐神宮


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