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小さく貧しく老いていく日本 [日本(人)]

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そんなリー元首相(住人注;辛辣なリー・クワンユー、シンガポール元首相)は、昨今日本に対して厳しい。近著では「私が、英語を話せる若い日本人だったら国を出ていくだろう」と日本の未来にかなり悲観的である。
これだけ聞くと辛辣だが、全部読むと実に論理的な分析で、悔しいが認めざるを得ない感じにもなる。
日本がこのまま日本人だけの純血主義を押し通せば、人口は減り、国は老いていき、そして国家として小さく貧しくなる。その日本が中国や朝鮮半島の隣にありながら、小さく貧しく老いていくのは、リスクが高すぎるという。その背景には世界の警察官の役割を果たせないアメリカの存在もあると見る。

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 これからは残念ながら日本には厳しい時代がやってくる。一番の問題は人口減少だ。これに対応すべく外国人を受け入れ始めるのか?あるいは純血主義を貫き、衰退の道を選ぶのか?どちらにしても、”今謳歌している心地よい日本”ではなくなっていくと思う。これにテクノロジーの進化と気候変動と東アジアの地政学的不安定さが加わり、私たちの人生は今までのようにのんきにはいかないと思う。

頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法
田村耕太郎 (著)
朝日新聞出版 (2014/7/8)

 

 DSC_4376 (Small).JPG宇佐神宮

 

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 最近メディアを賑わせている「2025年問題」という言葉がある。人口ボリュームの大きい団塊世代が75歳以上となる2025年頃には、大きな病気を患う人が増え、社会保障給付費が膨張するだけでなく、医療機関や介護施設が足りなくなるのではないかと指摘されている。
 だが、問題はそれだけにとどまらない。2021年頃には介護離職が増大、企業の人材不足も懸念され、2025年を前にしてダブルケア(育児と介護を同時に行なう)が大問題となる。
 2040年頃に向けて死亡数が激増し、火葬場不足に陥ると予測され、高齢者数がピークを迎える2042年頃には、無年金・低年金の貧しく身寄りのない高齢者が街に溢れかえり、生活保護受給者が激増して国家財政がパンクするのではと心配される。
 少子化は警察官や自衛隊員、消防士といって「若い力」を必要とする仕事の人員確保にも容赦なく襲いかかる。若い力が乏しくなり、国防や治安、防災機能が低下することは、即座に社会の破綻に直結する。
2050年頃には国土の約2割が無居住化すると予測される。さらに時代が進んで、スカスカになった日本列島の一角に、外国から大量の人々が移り住むことになれば、武力なしで実質的に領土が奪われるようなものだ。

P7
 2015年時点において1億2700万人を数えた日本の総人口が、40年後には9000万人を下回り、100年も経たぬうちに5000万人ほどに減る。この推計はメディアでも繰り返し取り上げられているのでご存じの方も多いだろうが、こんなに急激に人口が減るのは世界史において類例がない。われわれは、長い歴史にあって極めて特異な時代を生きているのである。

P3
残念なことに、「少子化」は止まりようがない。今後の日本社会は、子育て支援策が成果を挙げ、合計特殊出生率(一人の女性が生涯に出産する子供数の推計値)が多少改善したところで、出生数が増加することにはならないのである(その理由は後述しよう)。
「高齢化」に至っては、すでにこの世に存在する人が歳を重ねる結果起きるのだから、これに「歯止めをかける」などというのは、何やら”危ない話”(ある程度の年齢に達した人にはいなくなってもらう・・・・・云々)を想定しているかとあらぬ誤解を受けそうだ(ただし、山本氏(住人注;元地方創世担当相の山本幸三氏)の名誉のために言うならば、「少子高齢化に歯止めをかける」と口にする国会議員、地方議員は数知れない。全国各地の議会や行政の会議で、認識不足や誤解による議論が重ねられ、どんどんトンチンカンな対策が生み出されている)。
~中略~
数年後には、東京を含めた全ての自治体で人口が減る。日本が消えてなくなるかもしれないといわれているときに、一部の自治体の自治体の人口が増えただの、減っただのと一喜一憂している場合でない。もっと、日本全体の人口減少を見据えた長期的政策を考えるべきである。

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 日本の喫緊の課題を改めて整理するなら4点に分けられる。1つは、言うまでもなく出生数の減少だ。2つ目は高齢者の激増。3ツ目は勤労世代(20~64歳)の激減に伴う社会の支えて不足。そして4つ目は、これが互いに絡み合って起こる人口減少である。

P5
目の前にある人手不足は、機械化や移民による穴埋めで幾分かは対応できるかもしれない。だが、日本の労働力人口は今後十数年で1000万人近くもすくなくなると見込まれる。そのすべてを機械や外国人に置き換えることにはとうてい無理があろう。

P44
 先述したように、合計特殊出生率が改善しても出生数の増加にはつながるどころか、むしろ減っていくからである。それはなぜなのか?
 これまでの少子化の影響で、「未来の母親」となる女児の数は少なくなっており、将来、子供を産める女性の数が大きく減ってしまうのである。

P11
 では、われわれはこの「静かなる有事」にどう立ち向かえばよいのだろうか?
 出生数の減少も人口の減少も避けられないとすれば、それを前提として社会の作り替えをしてゆくしかないであろう。求められている現実的な選択肢とは、拡大路線でやってきた従来の成功体験と訣別し、戦略的に縮むことである。日本よりも人口規模が小さくとも、豊かな国はいくつもある。

P159
 そこで私は、5つ目の選択肢として「戦略的に縮む」ことを提言したい。

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 第2の処方箋は、「便利すぎる社会」からの脱却だ。「過剰サービス」を見直すことで、不要な仕事そのものを無くす。あるいは社会全体の労働時間を短くすることで、そこに必要とされる働き手を減らすのである。
 日本の「便利さ」は先進国でも突出している。24時間365日、コンビニエンスストアやファストフード店が開き、元旦から百貨店や大型スーパーでは初売りを行う。ネットや電話で注文すれば当日でも商品が届く。 

P168
 第3の処方箋は、非居住エリアを明確化することだ。人が住む地域と、そうではない地域とに国土を色分けし、コンパクトで効率的な国に作り替えるのである。 
~中略~
 そこで、農地なども含めた総合的な国土利用計画を立てられる法整備を提言したい。
人口減少を織り込んだ「市街地縮小計画」を策定し、老朽化した公共施設は居住エリアで立て直す。宅地開発や新規店舗、道路や上下水道の補修も居住エリアを優先し、日常生活に必要なサービスを集約していく。

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること
河合 雅司 (著)
講談社 (2017/6/14)

 

日本人口の世界シェアが最高になったのは、犬公方(いぬくぼう)とよばれた徳川綱吉(つなよし)や赤穂(あこう)浪士の元禄時代であって、この時、世界の二〇人に一人(五%)が日本人であった。卑弥呼の時代は三三〇人に一人しか日本人ではなかったのだから、よく増えたものである。
ところが、堺屋太一氏が元禄時代を「峠の時代」と呼んだ通り、この頃から日本人口の世界シェアは低下し始める。現在は二%だが、二二世紀の門口にあたる西暦二一〇〇年には一%を切って、古墳時代の日本ほどにそのシェアを低下させると、予測されている。
 おそらく将来、江戸時代は日本の栄えた時期として、憧憬(しょうけい)の念をもって回顧されるであろう。 江戸時代の国際的実力はたいしたものである。
アンガス・マディソンは、世界中の過去の国内総生産(GDP)推計で知られるが、江戸時代後期(一八二〇年)の先進主要国のGDPを推計している。それによれば、当時のアメリカのGDPを一とすると、日本のGDPはアメリカより経済大国で一・七五倍、オランダは〇・三倍、イギリスは二・八倍である。
さすがに一八五〇年になると、アメリカのGDPは日本の二倍近くに達するが、幕末日本は経済的にアメリカに対抗する力が十分にあり、武器はいくらも買えたから、実は、黒船ペリー艦隊は恐れるに足りなかった。ちなみに、昭和になって日本がアメリカに戦争を仕掛けたときの、日米のGDP差は一対四・五(一九四〇年のGDP比較)。工業力ではもっと差が大きかったから、これは無謀である。
 世界銀行は、二〇五〇年、中国・米国のGDPは日本の約八倍、インド・EUは約五倍になると予測している。

日本史の内幕 - 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで
磯田 道史 (著)
中央公論新社 (2017/10/18)
P195


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