ATP [言葉]
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生きてゆくにはエネルギーが必要です。というと、なにをあたりまのことをと思われるかもしれません。しかし、ここでいうのは、食物のエネルギーとかではなくて、細胞が生きていくためのエネルギーです。そのエネルギー源となる分子が、ATP(アデノシン三リン酸)です。
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私たちの体の中には、おおよそ100グラム程度のATPが存在するとされています。
なんだそれっぽっちか、と思われるかもしれませんが、一日あたり、なんと、おおよそ体重に匹敵するほどのATPが合成されると考えられています。また、ATP製造工場であるミトコンドリアの数も非常に多いことが知られています。
~中略~
エネルギーの源であるATPは、ものすごい数のミトコンドリアで、ものすごい速度で合成されてものすごい速度で消費されているのです。ですから、酸素が少なくなると、すぐにエネルギーの通貨ともいえるATPが供給不足に陥ってしまいます。
こわいもの知らずの病理学講義
仲野徹 (著)
晶文社 (2017/9/19)
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