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アンチエージング [雑学]

 ここに紹介しただけでも、DNAの損傷あり、活性酸素あり、テロメアあり、カロリー摂取あり。ほかにも、アポトーシスあり、ストレスあり、タンパクの異常あり、と、老化の原因は実にさまざまです。それらが重なり合った現象が老化の本態です。
老化研究が進み、いろいろなことがわかってきていますが、すべてを防ぐなどということは絶対にできないことです。がんのところで述べますが、がんを撲滅するのが不可能である、というのと同じ意味で、老化をなくす、ということは不可能です。
もちろん、ある程度、進行をおさえることは可能でしょう。それが、ご存じアンチエージングです。
 TVコマーシャルでもしょっちゅうやっていますし、クリニックもたくさんありますから、相当な需要がありそうです。アンチエージングに関係する学会に講演で呼ばれて行ったら、ミニスカートのおねえちゃんが外車を売っててびっくるしたことがありますから、きっとたくさん儲けてる先生もおられるのでしょう。
 もちろん、活性酸素を減らすなど、老化対策という意味だけでなく、健康のためにやったほうがいいだろうということもあります。しかし、老化はある意味で生理的なかていでもあるのです。
アンチエージングをやめろとは言いませんが、大枚をはたいている方は、そのことをふまえて、一度たちどまって考えてみれれてはどうでしょう。
 自慢じゃやりませんが、私は毛髪が不自由です。 ~中略~
 が、ある日、ふと思ったのです。いつまで続けるのか、と。そして、こんなことをしていいことがあるのか、と。抜け毛はある程度は防げても、着実に毛は減っていきます。主観的には抜け毛が減ったといっても、客観的にはハゲは着実に進行しているのです。~中略~
 育毛剤だけでなく、アンチエージング全般に似たようなことが言えるのではないかという気がします。我が国は、高齢「化」社会では、すでに超高齢社会になっています。
お年寄りが健康に生きる、というのは、もちろん大事なことです。でも、アンチエージングがもてはやされる社会というのは、必ずしも健康的ではないように思います。

こわいもの知らずの病理学講義
仲野徹 (著)
晶文社 (2017/9/19)
P098

こわいもの知らずの病理学講義

こわいもの知らずの病理学講義

  • 作者: 仲野徹
  • 出版社/メーカー: 晶文社
  • 発売日: 2017/09/19
  • メディア: 単行本

P1000224.JPG宮島

P208
 心臓の老化を防ぐ鍵も、食事にあるようです。まだ動物実験の段階なのですが、「ポリアミン」と呼ばれる物質を、マウスの食餌に混ぜると、心臓の老化が防げることが明らかになっています。~中略~
ポリフェノールは1つだけと思っていた人もいるかもしれませんが、ポリフェノールには実は多くの種類があって、赤ワインのポリフェノールとチョコレートのポリフェノールは違うのです。ポリアミンも同様です。アミンと呼ばれるアンモニアに似た化合物があり、これを自身の化学構造の中に複数含む物質をひっくるめてポリアミンと呼びます。
ポリアミンもやっぱりいろいろな種類があります。
 ポリアミンはもともと人の体の中にもあるものです。人の母乳に豊富に含まれており、子供の成長にとても重要なことが分かっており、乳児用粉ミルクにも添加されています。ポリアミンは母乳だけでなく、人の体のいろいろなところにあります。~中略~ 
一方で、ポリアミンは加齢によって減少することが知られており、これが老化と比例関係にあることが知られています。

P211
 それでは、ポリアミンはどんな食材に多く含まれているのでしょう?
 調べてみると、貝類・キノコ類・納豆・大豆・小豆などが列記されています。いかにも、かつての日本の家庭料理によく使われていた食材ばかりじゃないですか?~中略~ 繰り返しますが、これはほとんどがマウスでのデータです。人で同じほど効果があるかどうかはまだはっきりしていません。でも、少なくとも悪い影響はないのではないでしょうか。

心房細動のすべて ――脳梗塞、認知症、心不全を招かないための12章
古川 哲史 (著)
新潮社 (2018/12/14)

心房細動のすべて ――脳梗塞、認知症、心不全を招かないための12章 (新潮新書)

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  • 作者: 古川 哲史
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