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ノックアウト型脳梗塞 [医学]

 心房細動の人は、心房細動でない同年齢の人に比べて脳梗塞の発症率が約5倍高いといわれています。心房細動の人が脳梗塞を予防しないと、1年に5%の人が脳梗塞を発症するといわれています。これは1年の数値ですから、10年に換算すると実に60%以上の人、すなわち過半数の人が脳梗塞になる計算になります。
これはあくまで治療をしなかったらの数字なので、心房細動の方もちゃんと治療すれば心配ありません。
 心房細動が原因で脳梗塞になった患者は2018年時点で約40万人います。心房細動による脳梗塞は、他のタイプの脳梗塞に比べて重症になる傾向があります。
 心原性脳塞栓では、心房は大きなサイズがあるので、十分大きな血栓ができます。はがれて動脈にながされるのがその一部だといっても、それでも十分大きなサイズの血栓が動脈を流れていきます。これが、脳の動脈に詰まる(塞栓)時は、太い動脈に詰まってしまうので、心房細動に合併する脳梗塞は重症となりがちです。
心房細動に合併する脳梗塞が起きると突然いろいろな機能が失われるので、ボクシングのKOパンチに例えて、「ノックアウト型脳梗塞」と呼ばれることがあります。
 実際、心房細動による脳梗塞の患者による脳梗塞の患者のうち過半数の人が、死亡あるいは要介護・要支援となることは御説明しました。心原性脳塞栓は、単一疾患の原因としては寝たきりの最も多い原因です。

心房細動のすべて ――脳梗塞、認知症、心不全を招かないための12章
古川 哲史 (著)
新潮社 (2018/12/14)
P62

DSC_5065 (Small).JPG和布刈神社


タグ:古川 哲史
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