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CTかMRIか [医学]

 CTは放射線を使った検査です。放射線を使った検査でも、CTと胃のバリウム検査は特に放射線の被ばく量が多い検査なので、これを何度も行うと放射線被ばくによる弊害、とくに発がん性が問題となる可能性があります。
~中略~
 2004年にこれも世界的に権威のあるイギリスの雑誌に、「日本のがん患者の4・4%がCTやレントゲン写真が原因」というショッキングな論文が掲載されました。
このデータの信ぴょう性は分かりませんが、少なくともCT検査は必要最小限にとどめる努力が必要でしょう。
 一方、MRIは放射線は使いません。磁石を使って体の中の水素イオンの密度を測る検査です。 ~中略~ MRIは実際は水の含有量の違いを利用して組織や病変を区別しようという検査なのです。
例えば、脂肪は水分が多いけど、骨は少ないですよね。なので水の含有量を測ることでこれらを区別することができるのです。また、起ったばかりの脳梗塞では組織のむくみ(水がたまる状態)が起きて水の含有量が増えるのではっきりとわかるのです。
 MRIの問題点は、磁石を使うのでペースメーカーや人工鼓膜、内蔵の手術の時に使った金属製のクリップなど、磁石に反応するものが体内にあるときは検査できないことです。
~中略~
 CTは脳出血の診断には適していますが、起きたばかり(これを「急性期」といいます)の脳梗塞は診断できません。一方、MRIは起ったばかりの脳梗塞でも診断ができます。MRIができる前は、急性期の脳梗塞は、CT検査を行い脳出血が否定されると脳梗塞に違いない、との予測に基づき診断し(こういう方法を「除外診断」といいます)、治療を行っていました。MRIができたことによって、急性期の脳梗塞を自信をもって診断することができるようになったメリットは極めて大きなものがあります。

心房細動のすべて ――脳梗塞、認知症、心不全を招かないための12章
古川 哲史 (著)
新潮社 (2018/12/14)
P79

 

DSC_5066 (Small).JPG和布刈神社


タグ:古川 哲史
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