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苦味は毒センサー [雑学]

 妊娠中、つわりになると、味覚に変化が生じて、酸っぱいものが食べたくなったり、口の中に苦味が感じられて特定の食べ物に吐き気をもよおしたりすることはよく知られています。そのつわりについて、おもしろい説があります。
 つわりの時期というのは、胎児の発生過程においてちょうど人間らしい形ができあがってくるタイミングです。それは、同時に奇形が生じやすいタイミングでもあるのです。
当然、その時期は、少しでも奇形を生じさせる可能性がある物質、専門用語では催奇性物質といいます、を避けることがのぞましい。だから、つはりは、そのようなものを食べないようにする防御反応ではないか、という説です。検証するのは難しいですが、つわりのような不快な現象が生じるには、それなりの理由があるはずなので、正しいんとちゃうかと思っています。
 ビター味のチョコレートは美味しいし、ビールに苦味がなければたよりなさすぎます。けれど、とこ もう少し詳しくいうと、苦味の感覚は、毒や腐った物など体に有害な物を避けるために進化してきたのではないかとされているのです。
嘗めたことがないのでようわかりませんが、毒物の多くは苦いらしいし、腐った物は苦味が強くなるとん苦味が好き、という人は少ないでしょう。
我々にとって、基本的に苦味は不快な味なのです。ならば、感じない方がいいような気がしますけど、そうではありません。つわりと似たような意味で、苦味は、我々にとって防御的な役割を持っているのではないかと考えられています。
そうです。 おもしろいことに、苦味の閾値は他の味に比べてはるかに低い、いいかえると、ものすごく感じやすいのです。 こういったことから、苦味の味覚は毒センサーとして働いているのだろうと考えられています。
酸味については、個人的な好き嫌いがかなり大きいような気がしますけど、ある程度は、苦味と同じように防御的な働きがあるとされています。そうしたら、ものによっては、腐ると饐(す)えたような匂いがしますよね。広辞苑には「饐(す)える:飲食物が腐ってすっぱくなる」とありますから、そのまんまの言葉ですね。
 一方、、甘味、塩味、そしてうま味、はおおよそ美味しい。これらは、体に悪い物が持っている苦味とは逆に、体に必要な食べ物に含まれる栄養素が持っている味です。そういった物は、美味しいと感じてちゃんと摂取する必要があるわけです。

(あまり)病気をしない暮らし
仲野徹 (著)
晶文社 (2018/12/6)
P030

DSC_5906 (Small).JPG宝満山


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