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アディクション [言葉]

P140
小田嶋隆さんとの対談の予習に「やめられない心―毒になる「依存」」(クレイグ・ナッケン、講談社+α文庫)という本を読んだのですが、ずいぶんと勉強になりました。この本では、依存症や中毒ではなくて正しくアディクションという言葉が使われています。さすがです。
アディクションでは、もともとあった自己の人格に加えて、アディクション人格という新たな人格ができてしまい、それが次第に大きくなって、もとの人格を蝕み、最終的には取って代わってしまう、というように説明されています。
 なるほど、納得の解説です。アディクションになって人が変わった、というよりも、二重人格のようになって、もとの人格が取って代わられていった、と理解するとめらくわかりやすいやないですか。

P143
アディクションにはいろいろなものがあって、大きく二つに分類されています。
ひとつは、アルコール、薬物、タバコといった、節酒すると気分がよくなるよなものによる「物質依存」で、もうひとつはギャンブル依存、仕事依存、ゲーム依存、ネット依存といった「行為依存」です。
 詳しいメカニズムがわかっていないので、それぞれの依存症で異なっている可能性もあります。しかし、ざっくりいうと、依存症とは、脳内に新しい「快楽のネットワーク」のようなものができてしまう状態である、ということは間違いなさそうです。

P144
 アディクションなんか関係ないわ、と思う人がほとんどかもしれませんが、それは間違いです。
遺伝要因、環境要因などいろいろあって、なりやすい人やなりにくい人というのはあります。けれど、「アディクションの根底にあるのは、「幸福感を得たい」という欲求を、意のままに満たそうとする渇望であり企て」(「やめられない心」より)なのですから、けっこう本能に近いものです。
 それに、今の世の中、アルコールや薬物、ギャンブルなどではなく、ネット依存となると、誰もが陥る可能性があるといっても過言ではありません。
平成29年度の調査では、中高生のうち約14%になたる93万人がネット依存の疑いありで、5年前から倍近く増えたことが報道されているほどです。

(あまり)病気をしない暮らし
仲野徹 (著)
晶文社 (2018/12/6)

DSC_6189 (Small).JPG吉野神宮


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