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トランスセオレティカル・モデル [言葉]

行動変容に関する代表的な理論として、トランスセオレティカル・モデル(Trans-theoretical model)がある。
この理論は、
行動を、「何もしていない」
「何かをはじめた状態」
の二つではなく、
行動変容のような変化に対して、
「ほとんど関心のない」前熟考期(無関心)、
「関心があるが実際の変化はまだ先だと思っている」熟考期(関心期)、
「関心があり準備中である」準備期、
「新しい行動をはじめたばかり」の実行期、
「行動変容を継続している」維持期
の5つのステージがあり、人は行動変容のステージを1つづつしか上がることができず、またステージごとに必要な介入方法が違うと考えるものである。
「ほとんど関心のない」前熟考期の対象者の行動変容を引き起こすには、適切な情報をインプットし、関心を高める介入が必要である。
これに対し、「新しい行動をはじめたばかり」の実行期の対象者には、新しい行動を定着させるために、継続への動機づけを高めるための正のフィードバックを行うような介入が適用される。
つまり、トランスセオレティカル・モデルは、望ましい行動の定着をアウトカムとして設計された、対象者の様々な特性にあわせて行動変容が起きやすいようにするための仕組みのパッケージであると言える。
このように考えると、トランスセオレティカル・モデルも、本書の第2章で示した「軽く肘でつつく」という意味の「ナッジ(5)」の1つの形態であると考えることができる。

医療現場の行動経済学: すれ違う医者と患者
大竹 文雄 (著), 平井 啓 (著)
東洋経済新報社 (2018/7/27)
P105

医療現場の行動経済学: すれ違う医者と患者

医療現場の行動経済学: すれ違う医者と患者

  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2018/07/27
  • メディア: 単行本

DSC_5880m (Small).JPG宝満山


タグ:大竹 文雄
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