独裁主義 [言葉]
民主主義の反対は独裁主義である。独裁主義は権威主義ともよばれる。
なぜならば、独裁主義のもとでは、上に立っている者が権威を独占して、下にある人々を思うがままに動かすからである。
国王や、独裁者や、支配者たちは、あるいは公然と、あるいは隠れて、事を決し、政策を定め、法律を作る。そうして、一般の人々は、ことのよしあしにかかわらずそれに従う。
その場合に、権威を独占している人間は、下の人たちにじょうずにお世辞を言ったり、これをおだてたり、ときにはほめたたえたりするであろう。
しかしその人たちはどこまでも臣民であり、臣下である。そうして臣下は、その主人の命令に、その気まぐれな意思にさえ、無条件に従わせられる。だから独裁主義は、専制主義とか、全体主義とか、ファシズムとか、ナチズムとか、そのほかいろいろな形をとって表われるが、その間には根本の共通点がある。
それは、権威を持っている人間が、普通一般の人々をけいべつし、見おろし、一般人の運命に対して少しも真剣な関心をいだかないという点である。
民主主義
文部省 (著)
KADOKAWA (2018/10/24)
P21
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