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セロトニン [雑学]

  性差の問題はデリケートですから、議論は慎重に行わなければなりませんが、ただ、第一章でも述べたとおり、女性は男性に比べて、セロトニンの合成能力が低いということはPET(陽電子放射断層撮影法)による画像実験で確かめられています。 セロトニンは安心感の源になるとされる物質です。
 つまり、女性の方が男性よりも「不安になりやすい」というわけです。
 脳内におけるセロトニン合成能力は、男性の方が女性よりも52%ほど高いということがこのPETによる実験からわかっています。また、セロトニンが不足していることがうつ病の原因になるとも考えられています。
~中略~
 不安感の強さが端的に反映されるのは、リスクの見積もりです。
 セロトニンが少ないと不安感は強くなるため、より現実主義的で先々のリスクを正確に見積もり、その結果、できることを先延ばしにしないのです。
長い歴史にあって、楽観的になりすぎず、常に危険に対処しようとする傾向が女性にあったことが、われわれ人類が生き残ってくるために必要な条件であったとも考えられます。
 なぜなら、女性の不安傾向が高いことによって、その子どもがリスクを回避できる確率が高くなり、より多くの個体が生き延びられるようになるからです。~中略~
 ところで、子どものころの成績は男性より女性の方が良かった。なんていう記憶を持っている人はいないでしょうか?
 この現象もあながち気のせいというわけではなく、不安傾向が強いことと学業成績が良いことのあいだには相関関係が見られる、ということから考えれば、女性の方がより成績が良くなりやすいのはかえって自然なことでもあるのです。

空気を読む脳
中野 信子 (著)
講談社 (2020/2/20)
P149

 

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天河大弁財天社(てんかわだいべんざいてんしゃ、天河神社)


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