声の大きいものが勝つ [処世]
(住人注:カリフォルニア大学バークレー校の)研究チームは、互いに知らない4人の学生を組み合わせてグループをつくり、数学の問題を与え、協力して解いてもらいました。
被験者グループの学生のやり取りはすべてビデオで記録され、それを見て、被験者には誰をリーダーにするか、決めてもらいます。
さらに、被験者グループとは関係ない第三者にもビデオをみてもらい、リーダーに誰がふさわしいかを別途、選んでもらいました。
すると、被験者も第三者も、同じ人物をリーダーに選びました。しかし、ここで選ばれたリーダーたちは、特に数学の能力がほかのメンバーよりも秀でているわけではなかったのです。
では、どのような基準で、彼らはリーダーとして選ばれたのでしょうか?
被験者には、数学の問題に取り組んでもらう前に、短い性格判定テストのようなものをやってもらっていました。そのデータと照らし合わせてみると、そのテストで「支配性」が高いとされた学生ほど、リーダーに選ばれやすいということがわかったのです。
ここで、「支配性」が高いというのは、ほかの学生を強制的に働かせたり、自分の数学能力の高さを認めさせるために恫喝したり、などという行為を行ったということではありません。
とても単純なことなのですが、ビデオを見ると、「支配性」の高い学生は、一番最初に発言していたのです。
さらに彼らは、ほかの学生よりも強い調子、確信に満ちた様子で話す傾向がありました。
つまり、この実験から、「実力のある人がリーダーになる」のでなく、「確信のある人がリーダーになる」ということがわかったのです。
実力のある優秀な人であっても、リーダーに選ばれるとは限らない、その実力が確信をとまなったときにだけ、リーダーにふさわしいとして、多くの人が納得してその人を選ぶのです。
日本における内閣支持率も、この原理に随うとみてよいでしょう。
脳はどこまでコントロールできるか?
中野 信子 (著)
ベストセラーズ (2014/8/19)
P83
敬意を抱かれるには [処世]
どんなに立派な人でも、敬意を抱かれるには、実際に尊敬されるには、ある種の威厳がなくてはならないという話だ。
~中略~
では、どういうものが威厳ある態度なのだろうか。威厳ある態度というのは、尊大な態度とは相容れないものだ。というより、相反するものと言ったほうがいい。
それは、いばり散らすのが勇気ではなく、冗談が機知でないのと同じことだ。
~中略~
威厳のある態度とは、やたらにゴマをすることではない。八方美人のように振舞うことでもない。反対に何でも逆らうことでもない。口うるさく議論をふっかけることでもない。
自分の意見は控えめにはっきり言う。他の人の話は気持ち良く聞く。
こういう姿勢は威厳のある態度と言えるだろう。
父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章
フィリップ・チェスターフィールド (著), 竹内 均 (翻訳)
三笠書房 (2011/3/22)
P45
父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章 (知的生きかた文庫)
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2011/03/22
- メディア: 文庫
白川郷4
希望を持ったまま保留 [処世]
玄侑 ユングが言っていることですごいなと思うのは、一つのことが起こりますよね。起こったことそれ自体では縁起がいいか悪いかわからない。
たとえばここにお金が落ちてたとしますよね。縁起がいいって思って拾ったら、テーブルの角に頭をぶつけて脳震盪で入院した。
やれやれ、まいったと思ったら、入院した病院の看護婦さんがきれいな人だった。それで、結婚したら、なんだかしりに敷かれちゃって、こんなはずじゃなかった、と(笑)。
二転三転するわけですよね。すると、お金が落ちてること自体が、いいことかどうかなんて、わからないわけですよ。
だから希望を持ったまま判断を保留しなさいとユングは言うわけですね。
最初に起こった出来事を保留にしないで悪い方向に考えると、それが次に起こることに影響する。
この「希望を持ったまま保留」っていうのがすばらしいと思いますね。「希望の原型」って言いますけど。
養老 孟司 (著) 玄侑 宗久 (著)
脳と魂
筑摩書房 (2007/05)
P272
芸は身を助ける [処世]
その間に日清戦争があり、日本は大勝を博し、台湾を領土にした。一しょに仕事をしていた仲間が台湾へいってみようではないかというので、妻子を郷里へかえし、台湾へわたる事にした。そうして門司から船にのった。乗客は台湾で一旗あげようというもので一ぱいであった。
そのころまで芸人たちは船賃はただであった。そのかわり船の中で芸を見せなければならなかった。
昔は遊芸の徒の放浪は実に多かった。それは船がすべてただ乗りできた上に、木賃宿もたいていはただでとめたからである。だからいたって気らくであって、いわゆる食いつめる事はなかったし、また多少の遊芸の心得があれば、食いつめたら芸人になればよかった。だから「芸は身を助ける」といわれた。
芸さえ知っておれば餓える事もおいてけぼりにされる事もなかった。台湾へわたる船の中でも、そうした芸人たちが歌ったりおどったり手妻(手品)をして見せてくれるので退屈どころか、いつキールンへついたかわからぬほどだった。
忘れられた日本人
宮本常一 (著)
岩波書店 (1984/5/16)
P234
世渡りの極意 [処世]
心柄人柄がものをいう [処世]
何度かそういうお手伝いをした甲斐に、取込事の台所の大変さもわかりましたし、それがうまくいくかどうかは、大勢の働き手たちの和、不和にかかっていることも、その和は台所を宰領(さいりょう)する人の、人柄にかかっていることも知りました。
切盛り、按配といいますが、大根を切り人参を盛るばかりが切盛りではなく、集まってくるさまざまな面倒ごとをさっさと捌(さば)いていくのが切盛りです。
煮焼きの味ばかりが按配ではではなくて、予定外の事態や働く人の気持ちを、ぬかりなく上手に処理指導するのが按配なのでした。
印象ふかかったのは、料理のうでのあるかたが宰領になって、その台所がちっともうまくいかなかったことです。
取込の台所は、やはり心柄人柄がものをいうのであって、煮炊きの多少の技術が先行するものではないと思います。~略~
(一九六六年 六十二歳)
幸田文 台所帖
幸田 文 (著) , 青木 玉 (編集)
平凡社 (2009/3/5)
P43
六正・六邪 [処世]
魏徴の定義する「六正・六邪」(論択官第七・第十章)を参照してみよう、まず「六正」の方から進もう。
(一)きざしがまだ動かず、兆候もまた明確ではないのに、そこに明らかに存亡の危機を見て、それを未然に封じて、主人を、超然として尊栄の地位に立たせる、これができれば「聖臣」である。
(二)とらわれぬ、わだかまりなき心で、善い行いの道に精通し、主人に礼と義を勉めさせ、すぐれた計りごとを進言し、主人の美点をのばし、欠点を正しく救う、これができれば「良臣」である。
(三)朝は早く起き、夜は遅く寝て勤めに精励し、賢者の登用を進めることを怠らず、昔の立派な行いを説いて主人をはげます、これができれば「忠臣」である。
(四)事の成功・失敗を正確に予知し、早く危険を防いで救い、くいちがいを調整してその原因を除き、禍を転じて福として主人に心配させないようにする、これができれば「智臣」である。
(五)節度を守り、法を尊重し、高給は辞退し、賜物は人に譲り、生活は節倹を旨とする、これができれば「貞臣」である。
(六)国家が混乱したとき、諛(へつら)わずにあえて峻厳な主人の顔をおかし、面前でその過失を述べて諌める、これができれば「直臣」である。
次に「六邪」をあげる。
(一)官職安住して高給をむさぼるだけで、公務に精励せずに世俗に無批判に順応し、ただただ周囲の情勢をうかがっている。これが「見臣」である。
(二)主人のいうことにはみな結構なことですといい、その行いはすべて御立派ですといい、秘かに主人の好きなことを突きとめてこれをすすめ、見るもの聞くものすべてよい気持ちにさせ、やたら迎合して主人と共にただ楽しんで後害を考えない。これが「諛(ゆ)臣」である。
(三)本心は陰険邪悪なのに外面は小心で謹厳、口が上手で一見温和、善者や賢者をねたみ嫌い、自分が推挙したい者は長所を誇張して短所を隠し、失脚させたいと思う者は短所を誇張して長所を隠し、賞罰が当たらず、命令が実行されないようにしてしまう、これが「姦(かん)臣」である。
(四)その知恵は自分の非をごまかすに十分であり、その弁舌は自分の主張を通すに十分であり、家の中では骨肉を離間させ、朝廷ではもめごとをつくり出す。これが「讒(ざん)臣」である。
(五)権勢を思うがままにし、自分に都合のよいように基準を定め、自分中心の派閥をつくって自分を富ませ、勝手に主人の命令を曲げ、それによって自分の地位や名誉を高める。これが「賊(ぞく)臣」である。
(六)佞邪をもって主人にへつらい、主人を不義に陥れ、仲間同士でぐるになって主人の目をくらまし、黒白を一緒にし、是非の区別をなくし、主人の悪を国中に広め、四方の国々まで聞こえさせる、これが「亡国の臣」である。
帝王学―「貞観政要」の読み方
山本 七平 (著)
日本経済新聞社 (2001/3/1)
P97
贈与と互酬の関係 [処世]
この世間を読み解くうえで重要なキーワードは、贈与と互酬の関係である。(阿部謹也「近代化と世間」)。
つまり、贈られたら、贈り返すという贈答儀礼を通じて、互いの縁を結ぶ関係である。
江戸時代は次第に貨幣経済に進展しつつあったが、人間の結びつきにおいてはまだ贈与・互酬の関係が重要な意味をもち、この関係を通じて縁を結び、維持させていた。
福田 千鶴 (著)
江の生涯―徳川将軍家御台所の役割
中央公論新社 (2010/11)
P241
龍蔵寺4
独立生産者として自立しましょう [処世]
笠井 前略~ とりあえずはグローバリズムと世界内戦の二一世紀を、我々は生き延びていかなければならない。そのためには、市場にダイレクトにアクセスできる独立生産者として自立することが必要でしょう。
二〇世紀後半に完成した福祉国家の時代のように、政府も会社も個人を守ろうとはしません。国家や資本に身柄を預けるのはリスクが高すぎます。
日本劣化論
笠井 潔 (著), 白井 聡 (著)
筑摩書房 (2014/7/9)
P259
将に五危あり [処世]
故に将に五危あり。
必死は殺され、必生は虜(とりこ)にされ、忿速(ふんそく)は侮(あなど)られ、廉潔(れんけつ)は辱(はずかし)められ、愛民は煩(わずらわ)さる。
凡そこの五つの者は将の過ちなり。用兵の災いなり。
軍を覆(くつがえ)し将を殺すは、必ず五危を以てす。察さるべからざるなり。
新訂 孫子
金谷 治 (翻訳)
岩波書店; 新訂版 (2000/4/14)
P109
一流に学べ [処世]
一流の働き方、生き方をしている人と交わり、その思想に触れることで自分に足りないものや、目指す姿が見えてくるのです。
リッツ・カールトン - 「型」から入る仕事術
高野 登 (著)
中央公論新社 (2014/3/7)
P138
リッツ・カールトン - 「型」から入る仕事術 (中公新書ラクレ)
- 作者: 高野 登
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2014/03/07
- メディア: 新書
家族的付き合いとビジネス上の付き合い [処世]
デート相手とレストランに行ったら、料理の値段はけっして口にしてはいけない。
たしかに、メニューには値段がはっきり書いてある。それに、たしかに、レストランの格を示して相手を感心させるまたとない機会かもしれない。しかし、値段のことをくどくど言えば、ふたりの関係は社会規範から市場規範に変化してしまうだろう。
たしかに、デートの相手は、この食事のためにあなたがいくらついやしているかきづかないかもしれない。たしかに、義理の母親は、あなたが六〇ドルするスペシャルリザーブのメルローをプレゼントしたのに、一〇ドルのブレンドワインをもらったとしか思わないかもしれない。
だがこれは、人間関係を特別な領域に維持して、市場規範から遠ざけておくために支払わなければならない金額なのだ。
予想どおりに不合理[増補版]
ダン アリエリー (著), Dan Ariely (著), 熊谷 淳子 (翻訳)
早川書房; 増補版版 (2010/10/22)
P123
予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 増補版
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/10/22
- メディア: ペーパーバック
白川郷2
いうことは言おう [処世]
米国民全体の歴史的記憶としての日本は、かつてナチス・ドイツと同盟して米国と戦った敵国であり、真珠湾を卑怯にも奇襲した国でしょう。それだからこそ広島に原子爆弾を落として降伏させたのであって、原子爆弾を落として日本人を何十万人殺して何が悪い、という程度の知識かと思います。
アメリカ人に「陰険な」を意味する「スニーキー」sneakyという形容詞で何を連想するか尋ねてご覧なさい。「ジャパン」とか「ジャップ」と答えるでしょう。
ルーズベルトが米国を第二次世界大戦に参戦させるために日本海軍の真珠湾奇襲の直後、米国議会で日本に対する敵愾心を煽ろうとして叫んだとき以来、この「陰険な」という形容詞は日本と結びついてアメリカ人の民族的記憶の中に刷り込まれました。
戦艦アリゾナが轟沈して千人余のアメリカ将兵が犠牲になったことをアメリカは声高に宣伝したから、米国民は憤激しました。しかし日本海軍が攻撃を軍施設に絞ったため、民間人の犠牲者が六十八人にとどまったことを世間は知りません。
私は原爆搭載機エノラ・ゲイのスミソニアン博物館での展示の是非をめぐって騒動が持ち上がった時、英文の「タイム」誌に投稿して原爆が人道的であるか非人道的であるかは市民と軍人の死傷者の比率でわかる。そういう見方をすれば日本海軍の真珠湾奇襲はむしろ武士道にかなったものであると説きました。
掲載されたのはアジア版だけでしたが、「あなたはよくそんな思い切った主張ができるな」と言われました。
しかし一部の人にナショナリストと目されようとも、言うべきことは言わなければならない。何を比較の基準にするかによって、判断は一変し、正邪はところを変えるのです。
日本人に生まれて、まあよかった
平川 祐弘 (著)
新潮社 (2014/5/16)
P69
小人 [処世]
六 人材を採用するに、君子小人の弁酷に過ぐる時は却て害を引き起こすもの也。
其の故は、開闢以来世上一般十に七八は小人なれば、能く小人の情を察し、其の長所を取り之を小職に用ゐ、其の材芸を突くさしむる也。
東湖先生申されしは「小人程才芸有りて用便なれば、用ゐざればならぬもの也。去りとて長官に居ゑ重職を授くれば、必ず邦家を覆すものゆゑ、決して上には立てられぬものぞ」と也。
西郷隆盛「南洲翁遺訓」―ビキナーズ日本の思想
西郷 隆盛 (著), 猪飼 隆明 (翻訳)
角川学芸出版 (2007/04)
P31
西郷隆盛「南洲翁遺訓」―ビキナーズ日本の思想 (角川ソフィア文庫)
- 出版社/メーカー: 角川学芸出版
- 発売日: 2007/04/01
- メディア: 文庫
野人の楽しみ [処世]
枕を邱(きゅう)中に高くし、名を世外に逃れ、耕稼して以て王税を輸(いた)し、采樵
して以て親の顔を奉じ、新穀既に升(みの)り、田家大いに洽(うるお)い、肥羜煮て以て神に享し、枯魚燔(や)きて而して友を召(よ)び、簑笠
(さりゅう)戸に在り、拮槹(きつこう)空しく懸る。
濁醪(だくろう)相命じ、缶(ふ)を撃ちて長歌す。
野人の楽しみ足れり。
酔古堂剣掃「人間至宝の生き方」への箴言集
安岡 正篤 (著)
PHP研究所 (2005/7/1)
P74
現代活学講話選集5 酔古堂剣掃 「人間至宝の生き方」への箴言集 (PHP文庫)
- 作者: 安岡 正篤
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2016/03/04
- メディア: Kindle版
激動はチャンス [処世]
これからの時代は、人類史上、今までになかった大変化が複合して起こっていく。そして、この変化は常に下剋上のチャンスをもたらす。変化がない時代は、それまでの時代に恵まれていた人たちのいいポジションが固定化しやすい。 ~中略~
英、エコノミスト誌が出した「2050年の世界」によると、「1956年から81年までに「フォーチュン500」企業の入れ替わりは毎年平均24社なのに対し、82年から2006年の間では同40社に増えた」とある。
その代わりチャンスとピンチは表裏一体で連続して訪れるだろう。変化をチャンスと捉えるかピンチと捉えるかはあなた次第だ。
~中略~
どうせ変化の連続なので、それまで多少の成功をしていたとしても守りに入らないほうがいい。変化の波に乗らないで、その地位を死守しようとすることは、やがてピンチに陥ることを意味する。
頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法
田村耕太郎 (著)
朝日新聞出版 (2014/7/8)
P205
権力にすり寄る努力 [処世]
P18
今冷静に考えれば、権力にすり寄る彼らの努力は、洋の東西を問わず、さらに上に近づく最も大事な準備作業であり、彼ら自身不本意ながらも、清濁併せ呑む覚悟でそれを積み重ねていたのかもしれない。
むしろ、その先輩や同僚を非難するより、賞賛すべきだったのかもしれない。(つまり、あなたがアホと思っている人は、実は誰より賢い可能性があることを忘れてはならない。ただ、本当のアホもいるので注意が必要だ)。
権力にすり寄る行為に嫌悪を感じて、そういうことをする人たちと戦おうとしていた自分はとてつもなく青臭く、今思えば情けない。
P148
結局、本当にやりたいことを実現するためには組織を動かすことが必要で、そのためには権力を手に入れないとできないということを実感したからだ。個人でもすごい才能を発揮する天才はいるし、その人たちが発揮するインパクトも決して小さくはない。しかし、大抵の場合、個人の力でできることは知れている。
P150
この世は不条理であり、正義や義理は大事だが、それを純真無垢なまま鵜呑みにして行動していては、たった一度の奇跡のような人生を満足する形で使いきることはできない。
現実は汚く見えるものだが、そんなものに嫌悪を示すより、自分の目的に集中して、そこで結果を出すことに専念いたほうがいい。結果を出すために権力に接近することが必要ならば、その力を活かすことも視野に入れて準備しておくことだ。
頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法
田村耕太郎 (著)
朝日新聞出版 (2014/7/8)
退き時 [処世]
接物宜従厚 [処世]
貧乏神は暗い人に忍び寄る。 [処世]
頭に来てもアホとは戦うな! [処世]
アホと戦う暇があったら、そんなことを考えてしまう自分と戦うべきだ。そして自分と戦うためにも、自分と向き合うべきだ。
頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法
田村耕太郎 (著)
朝日新聞出版 (2014/7/8)
P192
嫉妬社会 [処世]
嫉妬社会・日本では、能力ある本来なら出世してほしい人が、多くのアホに結託され、途中で足を引っ張られ、引きずり降ろされてしまいがちだ。
アホは権力にすり寄ってきた場合が多いので、その分彼らは権力の中枢に発信力を持っている。そういう人間を敵にして、怒らせては組織のためにならないのだ。
他者を組織全体のために誘導するというのは相当な高等戦術であり、本当にそれができたら素晴らしいが、できないにしても、立ち向かって怒らせて制御不能にしてはならない。
頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法
田村耕太郎 (著)
朝日新聞出版 (2014/7/8)
P25
政の根本 [処世]
英雄の心を攬り有功を賞禄し、志を衆に通ず [処世]
一、夫(そ)れ主将の法は務めて英雄の心を攬(と)り有功を賞禄し、志を衆に通ず。(上略)
これにつきまして、面白い逸話があります。例の北条早雲(伊勢新九郎)が、ある日法師に「三略」を講義させました。
法師が開巻冒頭これを読みますと、聞いておりました早雲がいきなり、「よしわかった!これで十分」と言って講義をやめさせたという話があります。
~中略~
「主将の法は英雄の心」と、つまり雑輩を相手にしてもつまらない。偉い奴の心をぐっと握るということが大事であります。
つまらない人間のご機嫌を取って、空人気を占めたところで何にもならない。しっかりした偉い奴の心を握って、そして、「有功を賞禄し」、手柄のある者に惜しげもなく褒美をくれてやって、それと同時に、なさんと欲するところ、つまり志を多勢の者に通ずる。「通」というこの一字が字眼で、大事なのであります。
いかに衆に志を通ぜしめるか、わがなさんとする志を衆に通ずるか、これを慌て者は単にPRと考えるのでありますが、これはいくらPRしたって通じはしないのであって、通ずるにはやはり、自らそれだけの道がある。
安岡正篤
運命を創る―人間学講話
プレジデント社 (1985/12/10)
P43
絶対儲かる話はない [処世]
絶対儲かる話は、他人には内緒にするものです。絶対儲かるのなら、人には言わずに自分が買う、これは常識です。自分が儲けようとせず、人に勧めるときはほとんど詐欺です。
プロカウンセラーの聞く技術
東山 紘久 (著)
創元社 (2000/09)
P115
落花生
用兵の法 [処世]
孫子曰く、兵とは国の大事なり、死生の地、存亡の道、察せざるべからざるなり。
故にこれを経(はか)るに五事を以てし、これを校(くら)ぶるに計を以てして、其の情を索(もと)む。
一に曰く道、二に曰く天、三に曰く地、四に曰く将、五に曰く法なり。
道とは、民をして上と意を同じくせしむる者なり。故にこれと死すべくこれと生くべくして、危(うたが)わざるなり。
将とは、智・信・仁・勇・厳なり。
法とは、曲制・官道・主用也。凡そ此の五者は、将は聞かざること莫(な)きも、これを知る者は勝ち、知らざる者は勝たず。
故にこれを校(くら)ぶるに計を以てして、其の情を索(もと)む。曰く、主 孰(いず)れか有道なる、将 孰れか有能なる、天地 孰れか得たる、法令 孰れか行わる。
兵衆 孰れか強き、士卒 孰れか練(なら)いたる、賞罰 孰れか明らかなると。吾れ此れを以て勝負を知る。
~中略~
孫子はいう。戦争とは国家の大事である。(国民の)死活がきまるところで、(国家の)存亡のわかれ道であるから、よくよく熟慮せねばならぬ。それゆえ、五つの事がらではかり考え、(七つ)の目算で比べあわせて、その時の実情を求めるのである。
(五つの事というのは、)第一は道、第二は天、第三は地、第四は将、第五は法である。
(第一の)道とは、人民たちを上(上)の人と同心にならせる(政治のあり方)のことである。
そこで人民たちは死生をともにして疑わないのである。(第二の)天とは、陰陽や気温や時節(などの自然界のめぐり)のことである。(第三の)地とは、距離や険(けわ)しさや広さや高低(などの土地の状況)のことである。(第四の)将とは、才智や誠信や仁慈や勇敢や威厳(といった将軍の人材)のことである。
(第五の)法とは、軍隊編制の法規や官職の治め方や主軍の用度(などの軍制)のことである。
およそこれら五つの事は、将軍たる者はだれでも知っているが、それを深く理解している者は勝ち、深く理解していない者は勝てない。
それゆえ、(深い理解を得た者は、七つの)目算で比べあわせてその時の実情を求めるのである。
すなわち、君主は(敵と身方とで)いずれが人心を得ているか、将軍は(敵と身方とで)いずれが有能であるか、自然界のめぐりと土地の状況とはいずれに有利であるか、法令はどちらが厳守されているか、軍隊はどちらが強いか、士卒はどちらがよく訓練されているか、賞罰はどちらが公明に行われているかということで、わたしは、これらのことによって、(戦わずしてすでに)勝敗を知るのである。
新訂 孫子
金谷 治 (翻訳)
岩波書店; 新訂版 (2000/4/14)
P26
秘伝奥義の商法 [処世]
過ちを犯してしまった時 [処世]
もし不幸にして過ちを犯してしまった時は、嘘をついてそれを隠そうとするより、正直に認めてしまった方が潔い。
そしてそうすることが、償いをする唯一の方法であり、許しを請う唯一の方法でもあるのだ。
父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章
フィリップ・チェスターフィールド (著), 竹内 均 (翻訳)
三笠書房 (2011/3/22)
P42
父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章 (知的生きかた文庫)
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2011/03/22
- メディア: 文庫
トレンドに振り回されるな [処世]
ひとつのサイズですべて間に合うものなどありえない。経営手法においても同じことがいえる。
巷にあふれる流行の経営手法は、手っ取り早いが間に合わせだ。
安易な解決策を求める経営者と、そこにむらがる経営コンサルタントがいるかぎり、こうした状態はつづく。
しかし、流行を追って次から次へと新たな手法に乗り換えていると、いかにそれが高尚な経営学用語で彩られ、何か気の利いた原理を具体化していても、組織の使命達成能力が損なわれる可能性がきわめて高い。
流行ばかり追いかけていると、何を優先しているのかがよくわからなくなり、リーダーの信用が低下して、組織の持てる力がいたずらに浪費されるからだ。
パウエル―リーダーシップの法則
オーレン ハラーリ (著), Oren Harari (原著), 前田 和男 (翻訳)
ベストセラーズ (2002/05)
P199