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主婦湿疹 [医学]

 いわゆる主婦湿疹とは、毎日の炊事や洗濯で使う洗剤で手の皮膚のバリアが失われたために起きる湿疹で、この場合の発疹は、おもに洗剤にもっともよく触れる、利き手の親指や人差し指の先にできる。


なぜ皮膚はかゆくなるのか
菊池 新(著)
PHP研究所 (2014/10/16)
P181


なぜ皮膚はかゆくなるのか (PHP新書)

なぜ皮膚はかゆくなるのか (PHP新書)

  • 作者: 菊池 新
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2014/10/16
  • メディア: 新書

 

平城宮跡 (35).JPG
平城宮跡


タグ:菊池 新
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痛みを消すための努力 [医学]

P156
 痛みをいかにして鎮(しず)めるかという努力は、人類の歴史とともに絶えることなく現在もつづけられている。
 人類の知恵によって、口から口へ、手から手へと、数々の鎮静法は伝承されてきた。
 人類の有史以来脈々と受けつがれてきたこれらの鎮痛法には、それなりの確固とした科学的根拠が存在するはずである。
 古代から伝承されている鎮痛法の数々は、現代の医学という概念で置き換えると、心理学的鎮痛法と刺激鎮痛法に大別することができる。
 古代に行なわれた心理学的鎮痛法の代表的なものは呪文と、泣く儀式である。

P165
フィンネソンの文章からもわかるように痛みに関する偽薬効果の存在は、痛みというというものは、いかに心理的要因が大きく関与しているかという事実を如実に物語っている。
 呪文には、この偽薬効果が見事に実践されている。
 このようにして、古代における「呪文」や「泣く」という鎮静法は、決してスマートな方法とはいい難いが、現代でいう患者と医師の絶対なる信頼関係を基盤にして、音楽療法偽薬効果、そして、ゲート・コントロール説の実践を完璧に行なっていたのである。まさに、見事という他はなく、痛みの治療の基本が、すべてこの呪文に集約されている事実に、改めて深い感動を抱かずにはいられない。
 このような心理学的鎮痛法は、オペラント条件づけ、バイオフィードバック法、催眠法、弛緩鎮痛法、認知的克服法などへと発展し現在に受け継がれている。

痛みとはなにか―人間性とのかかわりを探る
柳田 尚 (著)
講談社 (1988/09)

痛みとはなにか―人間性とのかかわりを探る (ブルーバックス 748)

痛みとはなにか―人間性とのかかわりを探る (ブルーバックス 748)

  • 作者: 柳田 尚
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1988/09/01
  • メディア: 新書

 

DSC_4521 (Small).JPG薦神社


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脳梗塞は血圧の低いときに起こる [医学]

 脳梗塞は高血圧が原因といわれるが、そうではない。むしろ、血圧の低いときに起こる疾患である。
 脳の血管が詰まりかけたとき、体は懸命に血流を勢いよくし、血のかたまりを吹き飛ばそうとする。血圧を上げて、脳を守ろうとしているのだ。
「高血圧だから、脳梗塞になった」のではなく、「脳梗塞だから、血圧を上げて治そうとしている」のだ。原因と結果を取り違えているのである。
 このとき、血流が弱く、血のかたまりを押し流すことができなければ、簡単に脳梗塞になってしまうだろう。これは少し考えれば、わかることである。
 薬で血圧を下げることは、命取りなのだ。「脳梗塞は(降圧剤を処方した)医師によって作られる」と言っても過言でない。
 東海大学医学部名誉教授・大櫛陽一氏の研究によれば、
「降圧剤を飲んでいる人は、飲んでいない人に比べて脳梗塞の発症率が2倍になる」という。
~中略~
 実は、戦後1950年代までは、脳卒中のうち、約90%が「脳溢血」だった。時代を下るにつれ、脳溢血は減り、脳梗塞が増える。70年代に入ると逆転し、90年代に入ってからは、脳溢血が10~20%で横ばい、脳梗塞は80~90%で90年代半ばから急に増加している。
 なぜ昔は、これほど脳溢血が多かったのか?
 それは戦後の日本は、非常に栄養状態が悪かったからである。~中略~
 血管がもろいうえに、強い肉体ストレスが加わって、たやすく血管が破れていたのである。そのため、脳溢血が多発していたのだ。
こうして、「高血圧=脳卒中で倒れる」というイメージが医者や国民の間に広まったのである。


高血圧はほっとくのが一番
松本 光正 (著)
講談社 (2014/4/22)
P53


高血圧はほっとくのが一番 (講談社+α新書)

高血圧はほっとくのが一番 (講談社+α新書)

  • 作者: 松本光正
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/06/06
  • メディア: Kindle版

 




高塚地蔵尊 (10).JPG高塚地蔵尊


タグ:松本 光正
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治療法は新しければよいのか [医学]

  ベビーブームの最後の年に産まれた歯科医師の一人として、高度の先進技術と常識、長期的に有効性が証明された経験、および現実との選択の狭間で自分が悩まされていることを実感している。
筆者のことを時代遅れと呼ぶであろうが、今もなお金合金のクラウンは最良の修復物と筆者は考えている。
また、いますぐにコダクロームフィルムでスライド写真を作成せねばならないとしたら、おそらく自分の手で撮影することができる。
筆者は先進技術や最近の進歩に反対しているわけではない。しかし、旧式の技術がいつ有害なものになったのか、保守的で耐久性に優れ、機能性も兼ね備えた、安全かつ適正な口腔の健康療法である旧式の技術が、いつ、予知性の高い治療結果に悪影響をもたらすことになったのか、
根拠に基づく治療法を優先するというならば、治療目標を達成するための方法として新しい技術を活用することは、EBMにおいては逆行分析ともいえる。
~中略~
 歯科医学は技術的に決して簡単な専門医学分野ではないし、歯科医師は各自の専門領域におけるすべての術式について高度な技術を発揮できねばならない。~後略
Martyn S.Green.DDS.MS

PERIODONTICS & RESTORATIVE DENTISTRY
2015年No.6
クインテッセンス出版株式会社


11171704_564adfa5d0263.jpg

DSC_1881 (Small).JPG有珠山ロープウエイ


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IBS(過敏性腸症候群) [医学]

 

もともと、現在IBS(住人注;過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome))と呼ばれるような病気があるのではないかと概念的に考えられ始めたのは、アメリカの南北戦争の時である。
南北戦争の時、兵士の中に極端な腹痛や下痢など強い消化器症状のために前線に出られないという人が続出した。
当時、アメリカ陸軍省の医務官だったダ・コスタが神経が原因で消化器症状が出ることがあることを報告し、神経性の大腸症状という概念が誕生したのである。
 戦争は、通常では考えられないほどに極度のストレスが生じる状況である。このため、戦争を契機として、新しい病気の種類が提案されることがあるのだ。
たとえば、外傷後ストレス障害(Post-traumatic Stress Disorder:PTSD)もベトナム戦争の時に概念化された。

内臓感覚―脳と腸の不思議な関係
福土 審(著)
日本放送出版協会 (2007/09)
P32

内臓感覚 脳と腸の不思議な関係 (NHKブックス)

内臓感覚 脳と腸の不思議な関係 (NHKブックス)

  • 作者: 福土 審
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2007/09/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 

DSC_4575 (Small).JPG求菩提山

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交流分析16 EO(感情型)の特徴 [医学]


(6)EO(感情型)の特徴(図4-7)
・熱狂的で楽しい,NC(住人注;エイブ・ワーグナーが提唱した機能モデルでは,子どもの自我状態を「自然な子ども(Natural Child:以下NC)]と「適応した子ども(Adapted Child:以下AC」に分ける。 NCは本来の欲求・ニーズに従っているときの自我状態であり,自然に感情を表しているときもこの自我状態である。 P7より)を豊かにもつ,そばにいて面白い
・人と接するときのエネルギーが高い
・子どもっぽい
・五感の心地よさを好む
・他者が心地よく感じることを好む
・気にかけられるのが好き,関心を愛と同等と考える
・自惚れる
・感情を通して事実と判断する(感じたことが事実になってしまう)
・感情が表れやすい,感情が高まりやすい
・人を喜ばせるような服・持ち物を選ぶ
・人間関係は機能的に自発的に人々と関わる,社交的でもてなし上手
・~後略

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ
倉成宣佳 (著)

ミネルヴァ書房 (2015/4/25)
P192



 

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

  • 作者: 倉成宣佳
  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2015/04/25
  • メディア: 単行本


DSC_2590 (Small).JPG鰐淵寺


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交流分析15 RW(思考型)の特徴 [医学]


(5)RW(思考型)の特徴(図4-6)
・達成にこだわる
・義務感,責任感が強い
・(従うべきPに対して)良心的
・今ここでそうすることが適切か考えるより,一生懸命何かをやること,働くことと正しくやることなどに従おうとする
・手近の問題を解決するより全てのことを全体的に考える,深くではなく側面を考える
・良い働き手・良い管理者・職業における成功者であろうと思う
・何かをやっていないと不安である
・気楽でない,楽しまない,緊張している
・うまくいかないときに,即問題を解決するために行動するよりもくよくよする
・自分に厳しく批判的なため抑うつ気分を味わうが,他者にも批判的になってしまう
・順応性がある
・服装・持ち物はTPOを考えその場にふさわしくする,また機能や効率重視で服を選ぶ
・~後略

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ
倉成宣佳 (著)

ミネルヴァ書房 (2015/4/25)
P191



 

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

  • 作者: 倉成宣佳
  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2015/04/25
  • メディア: 単行本



DSC_2584 (Small).JPG鰐淵寺


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交流分析14 PR(反応型)の特徴 [医学]


(4)PR(反応型)の特徴(図4-5)
・子どものエネルギーを持ち楽しむのが好き
・ふざける,おどける
・粘り強く興味を追及する
・エネルギッシュ,好きなことをやるときにはとくにエネルギッシュである
・他の人が自分の望みどおりにしないときにはふてくされるかすねる,自分中心
・決めることに大きな葛藤を要す,決めた後も葛藤する,白黒思考
・行動は受動的で攻撃的
・妨害する
・状況に何か悪いところがあると気づくのが早く一番にそれを指摘する,批評家
・忠実
・服装・持ち物は自由で個性的,遊び心があるものを好む,親に仕返しするような服装をする
・人間関係では,受動的であり多くの人と関わる,大きなグループで人と関わるのが好き,他の人が最初に動くのを待つことのほうを好む
・~後略

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ
倉成宣佳 (著)
ミネルヴァ書房 (2015/4/25)
P190



 

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

  • 作者: 倉成宣佳
  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2015/04/25
  • メディア: 単行本



DSC_2583 (Small).JPG鰐淵寺


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交流分析13 BS(信念型)の特徴 [医学]


(3)BS(信念型)の特徴(図4-4)
・考えや信念を大切にし(こだわり),それに基づいて行動する
・細かいところにこだわる
・明晰な思考,鋭く精密に思考する
・当惑したり恥をかいたりしないために当たり前のことを確実にすることを望む
・行動する前に情勢を判断する,何事も失敗しないようにする,注意怠りなく物事をやりこなそうとする。悪くならないよう前もって処理し早めに解決する
・利用されないか騙されないかと警戒する,疑い深い
・傷つかないように受身でいる
・衝動を出すのを抑えている
・大げさ
・自己管理が好き,自身の生き方に沿ってキチンと見えるように行動する
・より上を目指す
・保守的で欠点がないような服装,服装・持ち物は自身の生き方や姿勢を表すものになっている
・人間関係では,グループより一人か二人と関わるのが好き,自分一人でいるのが気楽。能動的と受動的の中間
・~後略

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ
倉成宣佳 (著)
ミネルヴァ書房 (2015/4/25)
P189


交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

  • 作者: 倉成宣佳
  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2015/04/25
  • メディア: 単行本



DSC_2574 (Small).JPG出雲大社


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交流分析12 CM(行動型)の特徴 [医学]


(2)CM(行動型)の特徴(図4-3)
・最短距離で最大限の成果を狙う,行動は目的的であり結果重視
・行動力がある
・刺激と興奮を感じることを求める
・逆境に強い
・人を操作する言動が多い
・特別扱いを受けることや人より優位に立つことが好き,優位に立とうとする
・好きなものを非常に欲しがり何としても手に入れようとする
・社会規範や決まりごとと闘争する
・指導者で新しい運動を起こす,リーダーシップやカリスマ性がある,企業家・政治家などにも多い
・損得を考える,資金集めと販売活動が上手い
・相手にインパクトを与えるためまたはよくみられるために服・持ち物を選ぶ
・人間関係では,能動的で他者と関わるときと受動的で他者から引きこもるときという領域にまたがり両方の間を行き来する
・~後略

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ
倉成宣佳 (著)
ミネルヴァ書房 (2015/4/25)
P188


交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

  • 作者: 倉成宣佳
  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2015/04/25
  • メディア: 単行本


DSC_2572 (Small).JPG出雲大社


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交流分析11 CD(想像型)の特徴 [医学]


(1)CD(想像型)の特徴(図4-2)
・他者に優しく思いやりがあり支持的,他者へ配慮する,親切
・心理的に引きこもる
・ストレスを回避する
・感情と事実を分離する
・気持ちや欲求を表さない
・内気で過敏,恥ずかしがり
・芸術的要素がある
・科学・宗教・哲学に惹かれる,深く考え,人生の根本的な問題など答えが出ないものを考え探求を楽しむ
・服装・持ち物・身づくろいをさほど重要視しない
・人間関係では受動的で他者から引きこもる,深く関われる一人とのつきあいが気楽で一対一を好む
・親密さを楽しむ
・~後略

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ
倉成宣佳 (著)
ミネルヴァ書房 (2015/4/25)
P188



 

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

  • 作者: 倉成宣佳
  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2015/04/25
  • メディア: 単行本


DSC_2571 (Small).JPG出雲大社


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交流分析10 適応タイプ [医学]


 筆者は精神科臨床において,適応タイプの名称をクライアントとの共通言語として使用することを想定し,それぞれの適応タイプを英語の頭文字を取った略語で呼ぶか,各タイプの外界とのコンタクトの方略を表す,簡易で覚えやすい名称を使用していた。
 それらは,
 ・想像型(創造的夢想家 CD)
 ・行動型(魅力的操作者 CM)
 ・信念型(才気ある懐疑者 BS)
 ・反応型(おどけた反抗者 PR)
 ・思考型(責任感ある仕事中毒者 RW)
 ・感情型(熱狂的過剰反応者 EO)
である。


交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ
倉成宣佳 (著)
ミネルヴァ書房 (2015/4/25)
P180



交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

  • 作者: 倉成宣佳
  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2015/04/25
  • メディア: 単行本



 



DSC_2564 (Small).JPG出雲大社

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心房細動 [医学]

P3
心房細動は不整脈の一種です。非常に患者数が多く、「21世紀の心臓の流行り病」といわれています。特に高齢者に多く、超高齢化社会を迎えたわが国では社会問題となりつつあります。
 心房細動では脳梗塞を合併することが最大の問題です。なぜなら、心房細動に合併する脳梗塞は特に重症となり、12%の人が数日で亡くなり、40%の人が寝たきりあるいは要介護となるからです。
例えば、故小渕恵三元首相やダイエー創業者の故中内功氏は心房細動に合併した脳梗塞が原因で亡くなられています。

P48
 心房細動の3大症状は、「動悸」「めまい」「息切れ」です。

P51
 ところでページ数をとって3つの症状について説明しましたが、なんと心房細動患者の40~50%の人、すなわち2人に1人近くは何の症状も感じないのです。これを「無症状」といいます。

P66
心房細動の2分の1近くを占める無症状の人では、もうお手上げです。実際に診断がついている患者さんが90万人いるのにたいしいて、推定患者数が170万人、すなわち約80万人の心房細動の診断がついていない隠れ心房細動の患者さんがいることになります。この隠れ心房細動の患者さんにこそ、高い頻度で脳梗塞が起きるのです。
 皮肉なことに、脳梗塞が起って初めて、隠れ心房細動であったことが分かることもあります。長嶋茂雄・元巨人軍監督はこのタイプだったといわれています。脳梗塞を起こして病院に運ばれて初めて心房細動であったことが分かったそうです。

心房細動のすべて ――脳梗塞、認知症、心不全を招かないための12章
古川 哲史 (著)
新潮社 (2018/12/14)

心房細動のすべて ――脳梗塞、認知症、心不全を招かないための12章 (新潮新書)

心房細動のすべて ――脳梗塞、認知症、心不全を招かないための12章 (新潮新書)

  • 作者: 古川 哲史
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/12/14
  • メディア: 新書

DSC_5056 (Small).JPG和布刈神社


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交流分析9 感情を消化する方法 [医学]

感情を消化するもっとも効果的な方法は”感じる”ことである。
"感じる"ときにその感情を嫌悪する,感じることを恐れる,別の感情に目を向けるなどにより抑制した場合には,感情をありのままに感じることはできない。
たとえその感情が怖れや悲しみなどネガティブに評価されるものであっても,その感情を自分に自然に生起したものとして肯定的に受け入れることが必要である。
~中略~
 過去の場面における感情を再体験するときには,その過去の場面に身を置いたつもりで(「今,ここ」でその場面が繰り広げられているつもりで),そこでの感情を感じてみることが必要である。
その場合それが過去の場面であっても,使用される言葉は全て現在形である。”私は(今)腹が立つ” ”私は(今)悲しい”という表現である。
そしてその感情を感じていることを肯定的に受け入れるのである。

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ
倉成宣佳 (著)

ミネルヴァ書房 (2015/4/25)
P156



 

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

  • 作者: 倉成宣佳
  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2015/04/25
  • メディア: 単行本


DSC_2562 (Small).JPG出雲大社


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交流分析8 拮抗禁止令 [医学]

「拮抗禁止令(counterinjunction)」は,両親のPの自我状態から子どものPの自我状態に取り入れられる。拮抗禁止令は,”ちゃんとやらなければならない””親の期待に応えなければならない”など親が望む子供の言動に関するものであり,価値観や道徳的な判断に関係するものもある。
拮抗禁止令が強く働くとき,人はある特定の行動へと駆り立てられる。これらの拮抗禁止令への働きかけを「ドライバー(駆り立てるもの)(driver)」という。

ドライバーには次の5つがある。
完全であれ(Be Perfect)
強くあれ(Be Strong)
努力せよ(Try Hard)
喜ばせろ(Please Others)
急げ(Hurry Up)

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ
倉成宣佳 (著)
ミネルヴァ書房 (2015/4/25)
P36


交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

  • 作者: 倉成宣佳
  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2015/04/25
  • メディア: 単行本

 

DSC_2557 (Small).JPG出雲大社


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交流分析7 禁止令 [医学]

 人は建設的な働きをするものと現時点では非建設的な働きをするものを含めて多くの決断をしている。決断の中で,その人の人生脚本に大きなネガティブな影響を与えるものを「禁止令」という。
禁止令決断の内容は,その人の脚本の基底をなす考えであるとして,「脚本信条」ともよぶ。
 たとえば,幼少期の両親が自分を愛してくれず、姉ばかりが愛され可愛がられているという場面を繰り返し体験した人がいるとする。その人が”私は両親にとって大切じゃないんだ。私は(両親にとって)価値が無いんだ”と思ったとしたら,両親がその人に与えた禁止令は「重要であるな」である。
そしてその人の”私は重要であってはならない”という脚本信条(禁止令決断)は,その人の人生に大きな影響を与えていくことになる。

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ
倉成宣佳 (著)

ミネルヴァ書房 (2015/4/25)
P35


交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

  • 作者: 倉成宣佳
  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2015/04/25
  • メディア: 単行本

 

DSC_2556 (Small).JPG出雲大社

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交流分析6 決断理論 [医学]


人が特定の刺激に対して示す言動は他者と同一のものではない。たとえば怖い上司から厳しく叱責されたとき,”なぜこんなに強く言われなければならないんだ”と思う人もあれば”こなんなに怒られるなんて,やっぱり私はダメなんだ”と思う人もいる。
上司に対して”怒り”の感情が湧く人もいれば”悲しみ”を感じる人もいる。
ある状況で特定の刺激に対して示す思考・感情・行動(反応)はその人独特のものである。それらの多くは生まれつきのものではなく,生まれてから今までの間の何らかの経験を通して身に付けたもの,すなわち決断したものである。

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ
倉成宣佳 (著)

ミネルヴァ書房 (2015/4/25)
P35


 

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

  • 作者: 倉成宣佳
  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2015/04/25
  • メディア: 単行本


DSC_2553 (Small).JPG出雲大社


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交流分析5 人生脚本 [医学]

「人生脚本(life script)」とはエリック・バーンによって提唱された概念であり,無意識の人生計画である。
人は誰しも自分の人生で,すでに脚本に書かれたドラマを演じているようなものであると考えたのである。
その脚本の大部分はすでに乳幼児期から青年期までに決定されている。
人生脚本とは,決断された信条の集合体であるともいえる。そして人は脚本を決定し成人した後も,無意識に脚本通りの人生を演じ続けている。とくに人生脚本は,その人が大きなライフイベントに直面したときに,それに対してどのように進むかという決定に大きな影響を与えている。
ほとんどの場合,人はすでに脚本で決定された通りに進み自らの脚本を演じるのである。
そして脚本に従った決定を下し,脚本通りの人生を演じるごとに,自分の脚本を強化しているのである。

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ
倉成宣佳 (著)

ミネルヴァ書房 (2015/4/25)
P33


交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

  • 作者: 倉成宣佳
  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2015/04/25
  • メディア: 単行本

 


DSC_2552 (Small).JPG出雲大社

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交流分析4 ラケット感情 [医学]

 エリック・バーンは,ゲームの終わりにその人が経験する,なじみ深い不快感情を「ラケット感情(racket feelings)」と呼んだ。
ラケット感情を感じているときその人は,その感情を誰かに何とかしてもらいたいと思っている。それは,最初にその感情を感じたときに,その人の両親かその他の対象者に思ったものと同じものである。その人は,最初に誰かに思ったように,ラケット感情を感じている今も,誰かに期待しているのである。
 ファニタ・イングリッシュ(English,F.)は,その感情は,その人が育った環境で許可されなかった他の感情の代理として使われているともいえると述べた。
たとえば子どもが,本当は腹が立っているときに,怒り(「本物の感情」)の代わりに悲しみの感情(「ラケット感情(にせものの感情)」)を使ったとすれば,それはその子供の環境では支持されるかもしれない。怒りは拒否されるかもしれないが,悲しみは慰めを受けることができるかもしれないのである。
子どもは,このようにしてどのような感情が許可され,どのような感情によってどのようなスロトークを引き出されるかを素早く学ぶ。そしてそれを使い続けるのである。

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ
倉成宣佳 (著)
ミネルヴァ書房 (2015/4/25)
P33


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交流分析3 心理ゲーム [医学]


「心理ゲーム(games)」または「ゲーム」とは,他者との間で,繰り返し行われ,長い時間を費やし,最後に不快気分を味わうやりとりのことである。
エリック・バーンは1964年に書籍「人生ゲーム入門(Games People Play)」(Berne/南(訳).1964/1967)でゲームの概念を紹介した。
  ゲームは,表面的な言動の裏面に隠れた意図があり,表面の言動以上に裏面のメッセージが相手に影響を及ぼすと考えられている。そしてそこにはA(住人注;成人の自我状態(Adult))が関与していない。またゲームはストロークが不足したときに行われることが多くなり,そのやりとりは幼少期のストローク獲得の手段の再現でもある。
 バーンはゲームが一定のパターンに従い展開することに着目し,それを「ゲームの公式(formula G)として表した(図1-20)。それによると,ゲームは,ゲームを始める仕掛け人が,ゲームに乗せられるカモを選んでゲームを開始する。

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ
倉成宣佳 (著)

ミネルヴァ書房 (2015/4/25)
P28


交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

  • 作者: 倉成宣佳
  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2015/04/25
  • メディア: 単行本


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交流分析2 自我状態(Ego-state)の構造 [医学]


交流分析では「自我状態(Ego-state)」の構造を「親の自我状態(Parent)(通常Pと表記)」「成人の自我状態(Adult)(通常Aと表記)」「子供の自我状態(Child)(通常Cと表記)の3つに分けて考える。
これを「自我状態の構造モデル(structural model)」という(図1-1)。
自我状態とは心の状態と言える。人はつねにいずれかの自我状態を使っていると考えられる。

①親の自我状態(Parent:P)
 Pは,親あるいは大人たちなどから取り入れたもの,すなわち親の言動を模倣したものや親の言動から影響を受けたものである。
~中略~
このようにその人がPにいるとき,過去の親像をその人が客観的・事実志向で吟味することなく取り入れ,それを模倣し親と同じように考え・感じ・行動していることがある。

②成人の自我状態(Adult:A)
 Aの思考・感情・行動は,現実・事実への直接の反応であり,その場にふさわしく問題解決的である。人がAの自我状態にいるとき事実志向で客観的である。~後略

③子供の自我状態(Child:C)
 Cは,子ども時代に刺激に対して反応したパターンであり,子どもの自我状態にいるときには過去の思考・感情・行動パターンを再演している。ここには建設的なものも非建設的なものも含まれる。
非建設的な側面は,効果的ではない交流のパターンの繰り返しそのものである。その人がCの自我状態にいるときに,過去の自分の反応,すなわち子どものころに反応したやり方で考え・感じ・行動している。~後略

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ
倉成宣佳 (著)

ミネルヴァ書房 (2015/4/25)
P3


交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

  • 作者: 倉成宣佳
  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2015/04/25
  • メディア: 単行本

 





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交流分析1 [医学]

P1
「交流分析(TA:Transactional Analysis)」は,米国の精神科医エリック・バーン(Berne.E.)によって1950年代に提唱された。
精神分析にその端を発する交流分析は,一般の人にもわかりやすいものであったために、臨床において活用しやすく,「口語の精神分析」ともよばれる。

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ
倉成宣佳 (著)

ミネルヴァ書房 (2015/4/25)


交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

交流分析にもとづくカウンセリング :再決断療法・人格適応論・感情処理法をとおして学ぶ

  • 作者: 倉成宣佳
  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
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患者さんにとって信頼できる主治医の条件 [医学]

話しやすいと感じる人物
長くつき合えそうな人物
薬の説明をきちんとする
治療の根拠を示す
病状の説明に応じる

大切な人の「こころの病」に気づく 今すぐできる問診票付
日本精神科看護技術協会 (著), 末安民生 (著)
朝日新聞出版 (2010/11/12)
P236

大切な人の「こころの病」に気づく 今すぐできる問診票付 (朝日新書)

大切な人の「こころの病」に気づく 今すぐできる問診票付 (朝日新書)

  • 作者: 社団法人日本精神科看護技術協会 末安民生
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2012/08/01
  • メディア: Kindle版

 

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モルヒネ [医学]

P190
非常に多くの鎮痛薬なるものが臨床の場に登場しては、いつの間にか潮が引くように消えてゆくなかで、紀元前四千年頃からモルヒネは、常に確固とした地位に君臨しつつ現在にいたっている。モルヒネにまさる鎮痛薬は今までもなかったし、今後も出現する可能性はきわめて少ない。 
 自然界に存在する植物のケシから抽出されたアヘン(麻薬類)は、シュメール人によってはじめて使用されたという。ギリシア人は、ケシの抽出物の作用は眠りの神(ヒポノス)、夢の神(モルフェウス)によるものと信じ、モルヒネという名前がつけられたとされている。

P191
 モルヒネに関して重要なことは、モルヒネに対して根強く定着している誤解を解くことであろう。
モルヒネは鎮痛薬として他のいかなる鎮痛薬よりもすぐれているにもかかわらず、モルヒネに関する誤解はあまりにも多く、しかも根強い。この誤解は、多くの医師にとって確信に近いものであるため、一般の人たちにとっても患者にとっても、当然のごとく誤った知識が定着している。また、モルヒネに対する誤解を、マスコミもまたモルヒネと覚醒剤を混同してヒステリックに報道しつづけてきている。

P195
痛みさえなくなれば、麻薬をほしがることは普通の場合には見られない。アルコール中毒患者が酒の味よりもアルコールそれ自体をほしがると同様に、麻薬中毒患者は痛みとは関係なくモルヒネをほしがる。したがって、アルコール中毒患者と同様にモルヒネに関しても、モルヒネ中毒患者は実在する。~中略~
 モルヒネ中毒患者が実在するという理由で、何ものにもまさるモルヒネの鎮痛効果の実用的な価値を否定することは、「風呂の水と一緒に赤ん坊まで捨ててしまう」ことになるといわなければならない。

痛みとはなにか―人間性とのかかわりを探る
柳田 尚 (著)
講談社 (1988/09)

痛みとはなにか―人間性とのかかわりを探る (ブルーバックス)

痛みとはなにか―人間性とのかかわりを探る (ブルーバックス)

  • 作者: 柳田 尚
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2023/04/27
  • メディア: 新書

DSC_5023 (Small).JPG平尾台


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慢性炎症→線維化→発がん [医学]

 肝臓は比較的再生能の強い臓器なのですが、炎症が何年にもわたると、それにも限界がでてきます。また、慢性炎症の状態は臓器に線維化を引きおこします。
線維化というのは、線維芽細胞が増殖し、もともとあった細胞がなくなって、コラーゲンなどの線維成分が沈着するようになった状態です。
他の臓器では、たとえば肺繊維症とかいうように、○○繊維症という言葉が使われるのですが、肝臓の場合は、一般的には肝繊維症とはいわずに、肝硬変と呼ばれます。
 いずれのウイルス(住人注;B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルス)にも、発がんに直接関係する遺伝子があるわけではありません。長期間にわたって細胞の再生と炎症が継続されることにより、遺伝子に突然変異の生じることが、B型、C型肝炎ウイルスによる発がんの主たる要因とされています。
ですから、抗ウイルス薬でウイルス感染をなくしてやれば、かなり肝発がんも抑えることができるはずなのです。

こわいもの知らずの病理学講義
仲野徹 (著)
晶文社 (2017/9/19)
P293

こわいもの知らずの病理学講義

こわいもの知らずの病理学講義

  • 作者: 仲野徹
  • 出版社/メーカー: 晶文社
  • 発売日: 2017/09/19
  • メディア: 単行本

 

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人生いろいろ 痛みいろいろ [医学]

 例えば、むし歯による痛みがあるとする。この痛みは純粋な意味で、からだに起因した痛みであるから、むし歯を治療することにより、完全になおすことのできる痛みである。むし歯が痛いということは、気が重く、決して晴ればれした「心」にはなれないものである。
 しかし、むし歯が完全になおって痛みも完全に消えれば晴ればれとした「心」になるのはきわめて自然の経過であり、ほとんどの人たちは、このような経過をたどるはずである。
 しかし、むし歯になる以前から、心に起因する痛みを、からだのどこかに訴えていたり、あるいは、精神疾患に起因する痛み、さらには人間性に起因する痛みをたえず訴えつづけているような人であれば、この人は、むし歯の痛みと心の痛み、精神疾患の痛み、それに、この人の人間性による痛みとが混然一体となり、それぞれの痛みが、それぞれの痛みを増強させる結果となる。
 この人にすれば、「歯が痛い」と訴えているつもりではあるが、歯以外の痛みも同時に、次々と訴えるために、結果として、焦点がしぼり切れず、とりとめのない訴えとなってしまう。
例えば、歯の痛みを治療している時は手の痛みを訴え、手の痛みを治療しているときには腰の痛みを訴え、腰の痛みを治療しているときには頭の痛みを訴える。
 さらに厄介なことには、むし歯に対して行った適切な治療それ自体を新しい痛みとして訴えることである。このようなことは、むし歯だけにかぎらず、手でも足でも、からだの中いかなる部位であっても、そこに加えた治療上の処置が引き金となって、その部位の痛みを訴えることもある。
 むし歯の治療や口腔内手術の後に、二次的に出現する痛みも時には存在する。したがって、訴える人の痛みは、治療上の処置によって二次的に発生したからだの異常に起因する痛みであるのか、本来この人が有する「心」「精神疾患」、あるいは「人間性」に起因する痛みであるのかを見分けることは非常に重要なことである。
 この意味でも、このような人の訴える痛みに対しては、もつれにもつれた糸を、一本一本ときほぐすような対応が必要になってくる。
 このように、本人の訴える痛みのなかで、四つの原因、すなわち、「からだ」「心」「精神疾患」「人間性」が、どの程度の割合で混在し、それぞれがどの程度影響し合っているかによって、訴える痛みの内容は異なってくる。そして当然のことながら治療法も異なる。

痛みとはなにか―人間性とのかかわりを探る
柳田 尚 (著)
講談社 (1988/09)
P42

痛みとはなにか―人間性とのかかわりを探る (ブルーバックス)

痛みとはなにか―人間性とのかかわりを探る (ブルーバックス)

  • 作者: 柳田 尚
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2023/03/14
  • メディア: 新書

DSC_4512 (Small).JPG薦神社


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「SNS依存症」の分類 [医学]

 このような「SNS依存症」の背景を考えていくと、その根源は、バーチャルではなくリアルな社会でのコミュニケーションが拙劣であることは間違いない。しかし、その病理を考えると、次の4つのタイプに分かれるのではないかと思っている。

空海に出会った精神科医: その生き方・死に方に現代を問う
保坂 隆 (著)
大法輪閣 (2017/1/11)
P92

空海に出会った精神科医: その生き方・死に方に現代を問う

空海に出会った精神科医: その生き方・死に方に現代を問う

  • 作者: 隆, 保坂
  • 出版社/メーカー: 大法輪閣
  • 発売日: 2017/01/11
  • メディア: 単行本

 

DSC_3080 (Small).JPG宗像 大島

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医師の見識 [医学]

(住人注;余命)「あと、どれくらいですよ」というのは、明らかに統計学ですから、何例中何例という話です。
これは大体、偏差値の高い人たちが好きなんですよ。たくさん集めて平均したらこのくらいだと。もちろん統計にも幅がありますから、短めのところはこのへんで、長めのところはここだと。
いま玄侑さんの話のように、家族に聞かれた時にお医者さんは、その話をしているわけです。
だけどガンの患者さんは、一人ひとりが全部違うわけですから、他人の集まりの、しかも気候も風土も生きてきた歴史も違うものを集めて統計で作ったものを、個人の患者さんに当てはめるというのは、尺度が違う場面のほうが多いわけですから軽々にいってはいけないところがあるわけです。

しかし、通常は家族などがある範囲の誤差を承知の上で聞きたいというケースもありますので、その時に医師の見識が大切になります。
だから私が常にいうのは、ガンの患者さんを統計学的に診てはいけない、一人ひとり全部違う病気を考えることが大切で、一人ひとりが、いつもすべて新しいわけですから、全力投球しないといけない。
だからといって、「先生、あとどのくらいでしょうか」といわれた時に「一例一例違うのに、分るわけないじゃないか」とはいえない。
それでは「統計学的にはこうですよ」という話をしたらいいのかというと、そうでもないですよね。

そこのところは、お医者さんの人間性というかね。
坪井栄孝 

玄侑 宗久 (著)
多生の縁―玄侑宗久対談集
文藝春秋 (2007/1/10)
P127

多生の縁 玄侑宗久対談集

多生の縁 玄侑宗久対談集

  • 作者: 玄侑 宗久
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/03/24
  • メディア: 単行本

 

-2c3df.jpg山口市 清水寺4

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がんは治るのか [医学]

 国民全体に深く浸透しているイメージがあります。がんという病気は、死に直結する悪いものであり、それが治るというのは、「希望」「安心」「幸福」、治らないというのは、「絶望」「不安」「不幸」。
だから、「つらい治療にこそ希望がある」「治療をあきらめたら絶望しかない」ということになってしまう。このような考え方が、「がん難民」を生んでいるんです。
 「治療と病気と人生」の関係を考えてみましょう。「治療が人生のすべてで、それがなくなったら自分の人生は終わりだ」と思い込んでいる人がいますが、よく考えれば、治療は病気への向き合い方の一部にすぎなし、病気自体も、人生の中の一部にすぎない。
治療というのは、大きい人生に比べれば、ごく一部にすぎないわけで、そこに気づけば、もっと楽になると思うんですね。
 治るか治らないかというのは、それほど重要なことではない。そこに、運命の分かれ目があるかのような幻想を持ってしまう。からいけないんです。病気があろうとなかろうと、患者さんが幸せに日々を送れているかどうかが重要です。がんを抱えながら普通に仕事をして、普通に家族と暮らしている患者さんは大勢います。

別冊宝島2000号「がん治療」のウソ
別冊宝島編集部 (編集)
宝島社 (2013/4/22)
P71

別冊宝島2000号「がん治療」のウソ (別冊宝島 2000)

別冊宝島2000号「がん治療」のウソ (別冊宝島 2000)

  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2013/04/22
  • メディア: 大型本

 

DSC_0910 (Small).JPG両子寺

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血液をサラサラにする薬 [医学]

 血液が固まることを「凝固」、血液が固まってできたものを「血栓」、これがはがれて血流にのって流れて行って到着先の血管に詰まったものを「塞栓」といいます。
~中略~
 血液をサラサラにする薬は、この血液の凝固を抑制して血栓ができるのを防ぐ薬です。  血栓と一括りに呼びますが、血栓には動脈の中にできるものと静脈の中にできるものがあります。これらは性質が違うので、予防する薬も違うものが使われます。
 動脈にできる血栓を予防する薬は、「抗血小板薬」と呼ばれるものが使われます。皆さんが耳にしたことがあるとすると、アスピリン(商品名アスピリン、バファリン)でしょう。これは、心筋梗塞やアテローム血栓性脳梗塞など動脈に血栓が詰まることによっておこる病気の予防に使われます。
 一方、静脈にできる血栓を予防する薬としては、「抗凝固薬」と呼ばれる薬が使われます。皆さんが聞いたことがあるとしたら、ワルファリン(商品名ワーファリンなど)ではないでしょうか?これは、下枝静脈の血栓が肺に飛んで行って起こる肺塞栓、俗に「エコノミー症候群」などと呼ばれる病気の治療にも使われます。
~中略~
したがって心房細動に合併する血栓の予防には血流の遅いところにできる血栓を予防する後者の抗凝固薬(ワルファリン等)が使われます。

心房細動のすべて ――脳梗塞、認知症、心不全を招かないための12章
古川 哲史 (著)
新潮社 (2018/12/14)
P131

心房細動のすべて―脳梗塞、認知症、心不全を招かないための12章―(新潮新書)

心房細動のすべて―脳梗塞、認知症、心不全を招かないための12章―(新潮新書)

  • 作者: 古川哲史
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/12/21
  • メディア: Kindle版

DSC_5080 (Small).JPG甲宗八幡神社

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