認知症の予防法 [養生]
「ナン・スタディ」という研究があります。ほぼ同じ食事・同じ生活をして、認知症になった人とならなかった人とでは何が違うのかを調べたものです。
結果として運動や食事が同じでも、若い頃に書いた作文の複雑さと高齢になった時の認知症の発症率が相関することがわかっています。5)
年を取ってからの対処も大切ですが、40代、50代と若い頃から認知症にならないように対策を行うことが将来の認知症を防ぐのです。
とはいっても、作文の練習をするのは面倒ですよね。でも、ご安心ください。本を読むと認知症の発症率を35%減らすことがわかっています。つまり、今あなたがしていること(=本書を読んでいること)は有効なのです。6)
~中略~
さらには、知的好奇心を持つことも認知症の発症率を下げ、記憶力の低下を32%下げることがわかっています。いつもと違うテレビ番組やラジオ番組をつけてみる、散歩の道をちょっと変えてみる、そんなちょっとしたことが認知症の予防につながります。
散歩をしながら話をするというのも有効です。同時に二つ以上のことをすると、認知機能を鍛えることができるからです。9)会話をしながら一緒に歩くのはよいことです。
老人の取扱説明書
平松 類 (著)
SBクリエイティブ (2017/9/6)
P102
- ショップ: 楽天ブックス
- 価格: 864 円
ロコモティブシンドローム [養生]
ロコモティブシンドローム(ロコモ、運動器症候群)。骨や関節、脊椎などの異常で長い間歩けなくなったり、筋力だけでなくバランス感覚も衰えて転びやすくなるなど、移動が不自由になる状態をこう呼ぶ。
適切な治療や対策を打つことで、悪化して「寝たきり」になる事態を回避できるという。
~中略~
「ロコモ人口」は推定四千七百万人で、多い病気は、「脊柱管狭窄症」「骨粗鬆症」「変形性関節症」の三つだ。~中略~「ロコモ」という言葉を考案した元日本整形外科学会理事長の中村耕三さんは「ロコモにならないためには予防が何より大切」と言う。「ロコモは、建ててから時間がたった家のドアのたてつけが悪くなるようなもの。大事に使う(適度な運動)、そして壊れたら修理する(治療)の両面作戦が重要と言う。
気になる科学 (調べて、悩んで、考える)
元村有希子 (著)
毎日新聞社 (2012/12/21)
P44
門司区田野浦
乾燥肌 [養生]
乾皮症とは、皮膚が乾燥してガサガサになったり、ウロコのようになったりして、ポロポロと剥がれてくる病気で、これも強いかゆみをともなう。特に高齢者に多い病気であり、ほかに軽症のアトピーとも関係するが、ここでは話を単純にするために炎症を伴わない乾燥肌、乾皮症に限って話をすすめよう。
まずメカニズムについて。これは皮膚の乾燥が発端になる。原因は、「冬場コタツに入ったりストーブになたったりしたことで乾燥させてしまった」「石鹸の使いすぎで皮膚のバリアを落としすぎてしまった」「アカスリをして皮膚のバリアを自分で壊してしまった」などである。
こうして皮膚のバリアが剥がれ落ちて乾燥が進むと、九一ページで述べたように、NGFが出て、本来は真皮と表皮の境界部になる知覚神経の末端が、表皮の中まで伸びてくる。皮膚のバリアが失われたことで、危険を察知し、外部に対して探知機を出すのだ。
なぜ皮膚はかゆくなるのか
菊池 新(著)
PHP研究所 (2014/10/16)
P121
白髪なんて気にしない [養生]
ヘアダイでかぶれている人は少なくない。市販のほとんどのヘアダイにはパラフェニレンジアミン(PPDA)というかぶれやすい化合物が入っていてこれがおもな原因となっている。ちなみにPPDAが入っていないヘアダイも市販されているので、かぶれやすい方は自分と合っているかを事前にきちんと確認してから染めることが望ましい。
また、この患者さんのように、二〇年以上前から使っていてずっと問題なかったものが、本人の体質の変化やヘアダイメーカーによる内容の変更などによって、急にかぶれるようになるということもよくある。
「ずっと使ってきた」というのはまったくあてにならない、人の免疫は常に変わるのだ。
なぜ皮膚はかゆくなるのか
菊池 新(著)
PHP研究所 (2014/10/16)
P194
糖質中毒 [養生]
コーラなどの甘い清涼飲料水が糖分を多く含むことはわかるとして、注意が必要なのはいかにも健康に良さそうな商品です。
代表的なところをあげたただけで、ウイダーinゼリー・エネルギーに45グラム(角砂糖11個分)、C.C.レモンに50.5グラム(角砂糖12個分)、デカビタCに28.3グラム(角砂糖7個分)といった具合に大量の糖が含まれています。
本来、健康な人間の体内には約4.5リットルの血液であり、その中のブドウ糖濃度(血糖値は空腹時90mg/dlです。
つまり、その血液中には4グラム前後のブドウ糖が存在します。それだけあれば十分だから、この数値なのです。
では、4グラムでいいところに、コーヒー飲料などを飲んで、いきなり大量の砂糖がドバーッと入ってきたらどうでしょう。人間の体がまったく想定していなかった、ばかげた事態が起きるのです。
医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
牧田 善二 (著)
ダイヤモンド社 (2017/9/22)
P28
医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
- 作者: 牧田 善二
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/09/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
脳にイケナイ食べ物 [養生]
澤口 それがたくさんあって困るんですが、たとえばカリウムはその一つです。
少なすぎると心臓発作で突然死することもありますが、とりすぎはよくないんです。
あとは塩、塩化ナトリウムですね。ナトリウムとカリウムは性質上かなり似た物質で、脳にも同じような影響を及ぼします。
過剰にとると脳が活発になりすぎる、つまり興奮しすぎるんです。
いわゆるジャンクフード゙には塩分やカリウムがたくさん入っていますから、食べすぎは脳に絶対よくない。
ジャンクフード゙には添加物も概して多いんですが、添加物の一部は環境ホルモンみたいに脳にダメージを与えることもあるので、ますます要注意です。
平然と車内で化粧する脳
澤口 俊之 (著), 南 伸坊 (著)
扶桑社 (2000/09)
P197
山口市 清水寺3
ビジネスマンの自療法 [養生]
一、日常飲食は質量ともに適正か。
二、毎夜睡眠の具合はどうか。安眠熟睡ができるか。
三、自分に適当な運動をしているか。
四、自分の心身に害ある悪習はないか。
五、自分は生活上の問題に一喜一憂しやすくないか。何があっても平常通り執務できるか。
六、自分の仕事にどれだけ自信と希望があるか。
七、自分は有意義な内面生活を有するか。
八、自分は良き師、良き友を持っているか。
九、自分は日常座右を離さぬ良書を持っているか。
十、自分は独自の信念、箴言、信仰の類を持っているか。
安岡正篤
運命を創る―人間学講話
プレジデント社 (1985/12/10)
P237
使わないと廃用萎縮 [養生]
「病気には安静」というのが、日本人の常識です。
しかし、年寄りを安静にさせすぎますと、二次障害が起きます。この二次障害を廃用症候群といいます。廃用、つまり使わないと廃れるということです。
具体的にいいますと、骨や筋肉がやせたり、関節が固まったり、肺や心臓の働き低下して、ちょっと身動きしても動機や息切れが起きる、また、精神活動も低下してぼけたり、ぼけていたのが一層進行したりすることを指します。
平均年齢が85歳から90歳という、特別養護老人ホームの入居者が、一カ月も入院して帰ってくると、手足の動きが悪くなり、歩いていたものが立つことさえままならなくなっていたり、ぼおっとしてまったく覇気のうせた、これがあの人かと思うほど変わり果てた姿になるのが常です。
大往生したけりゃ医療とかかわるな
中村 仁一 (著)
幻冬舎 (2012/1/28)
P185
到津の森公園
焦げた食品は食べるな [養生]
魚の焦げた部分に発がん性があることは、比較的以前から言われてきました。しかし、魚に限らず、焦げた食品は食べないほうがいいのです。
肉も焦げれば「ヘテロサクリックアミン」という発がん性物質ができることがわかっています。肉を高温で調理する過程で、なんらかの化学変化が起きるためと考えられています。
~中略~
焦げた部分には発がん性物質だけでなく、AGEもたっぷり含まれます。焼くと、生肉の10倍のAGEができます。バーベキューで焦げたフランクフルトソーセージ(加工肉には発がん性物質も含まれます)を食べるなど、絶対に避けたほうがいいでしょう。
医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
牧田 善二 (著)
ダイヤモンド社 (2017/9/22)
P248
医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
- 作者: 牧田 善二
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/09/22
- メディア: Kindle版
果物は太る [養生]
はっきり言っておきましょう。果糖だからこそ、果物は太りやすいのです。
それは、生化学を学んだものからしたら明白すぎる事実です。人間の体はエネルギー源としてブドウ糖を優先的に使います。果糖はエネルギー源としてではなく、すぐに脂肪に変えて貯蔵されます。つまり、太りやすい糖なのです。
果物が好きならば、朝食の最後に少しだけ、ゆっくり噛んで食べるのがベターです。シュースにはしないこと。たくさんの果物を使った糖質たっぷりのジュースを、起きたばかりの空腹状態でごくごく飲むのは最悪です。
医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
牧田 善二 (著)
ダイヤモンド社 (2017/9/22)
P82
医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
- 作者: 牧田 善二
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/09/22
- メディア: Kindle版
食事は「最強の教養」 [養生]
本当の健康が、手軽に自分のものになると思いますか。仕事だって、そんなに簡単ではないでしょう。
人生においてもビジネスを成し遂げる上でも最も重要な健康は、食事をしっかりマネジメントしていく人だけが手にできるのです。
健康格差社会を生きる上で、食事は「最強の教養」です。
医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
牧田 善二 (著)
ダイヤモンド社 (2017/9/22)
P72
医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
- 作者: 牧田 善二
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/09/22
- メディア: Kindle版
脂肪は悪でない [養生]
そもそも、脂肪を食べたからといって、それがそのまま体の脂肪になるわけではありません。
食べたものは消化・吸収の過程で分解・合成されて新しい物質に変化します。だからこそ、糖質が体の中で脂肪に変わるのです。
それに、脂肪は食べ過ぎると便に出てしまい、案外、体内に残りません。
一方で、糖質は100%吸収されます。~中略~
私たちの細胞を覆う細胞膜は脂質でできており、質のいい油を摂取することは重要です。いたずらに脂質を避けていれば、かえって健康を害することにつながります。
「脂肪は太る」という思い込みは捨てましょう。
医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
牧田 善二 (著)
ダイヤモンド社 (2017/9/22)
P78
医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
- 作者: 牧田 善二
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/09/22
- メディア: Kindle版
食塩摂取量と高血圧の関係 [養生]
世界の研究者の間でも、食塩摂取量と高血圧の関係は長い間謎とされていた。
長年の論争に決着をつけたのが、1988年に世界32ヵ国、52の地域の専門機関が協力した大規模疫学調査、「インターソルト・スタディ」である。
世界中の、1万人以上もの人のデータを分析した結果、パプアニューギニアなど生活環境が極端に違う場所を除き、食塩摂取量と高血圧には何の関係も見られないという結果になった。
実際、フィンランドを除くヨーロッパ主要国はどこも減塩を主張していない。
世界ではとっくの昔に非常識になったことが、日本では今も常識としてまかり通っているのである。
高血圧はほっとくのが一番
松本 光正 (著)
講談社 (2014/4/22)
P158
健康なんか気にしない [養生]
ここに興味深いデータがある。
1970年代から80年代にかけて、フィンランドで行われた調査だ。
38歳から54歳までの男性会社員に健康診断を行い、そこから高血圧、高コレステロール、喫煙など、危険な要素を持っている人、1222名を抽出し、それをほぼ半数ずつ、2つのグループに分けた。
片方のAグループには、食事、運動、禁煙などの細かい指導を行い、それでも血圧やコレステロールの数値が下がらない場合は、薬を与えた。
もう片方のグループには、積極的な治療や指導は何もしなかった。要は、放っておかれたのだ。
5年後、どうなったか?
確かにAでは血圧もコレステロールも下がった。
しかしBは死亡が5人なのに、Aは10人と、Bの2倍になっていたのだ。心筋梗塞にかかった人も、Bの9人に対し、Aは19人と、これも2倍である。
この結果からフィンランドの研究者は、
「ライフスタイルの改善はよかったかもしれないが、薬の使用はよくなかった可能性は否定できない」と述べている。
~中略~
健康に無頓着でも、マイナス思考にとらわれないことが、結局体にはいいのだ。
フィンランドの研究は、行き過ぎた健康志向に対する皮肉であると同時に、警鐘でもある。
今、私たちに求められているのは、血圧をはじめ、過度に健康を気にしないことなのだ。
高血圧はほっとくのが一番
松本 光正 (著)
講談社 (2014/4/22)
P153
太ったまま血圧を気にするのは、滑稽 [養生]
誰でもできる歯周病予防 [養生]
美味しくしっかり食べるということでは、口腔(こうくう)ケア(口の中のケア)も大事です。
特に、歯周病の予防を忘れずに。
歯周病予防で誰でもすぐにできる対策としては、歯ブラシは最低でも月に1本変えることです。歯ブラシは長く使っていくと、毛先が開いてしまって使いにくくなりますし、雑菌だらけになります。歯ブラシの状態が悪いと、歯垢の除去率は6割近くにまで減ってしまうともいわれています。
老人の取扱説明書
平松 類 (著)
SBクリエイティブ (2017/9/6)
P185
戸上神社救自然歩道
修行者も歯が命 [養生]
オトナこそ歯が命 [養生]
QOLが重要視されるようになった今、医療の在り方も変わらなければなりません。もっと患者をトータルに、ひとりの人間としてとらえることが必要でしょう。そうしたとき、口は食べるためだけでなく、しゃべるため、人とかかわるためになくてはならない器官として再認識されなければならないと思います。
オトナこそ歯が命
世話になる医者にも注意が必要 [養生]
コーヒー [養生]
「European Journal of Clinical Nutrition」などの統計調査から、コーヒーには糖尿病の発症を抑える効果があることがわかっています。~中略~
また、コーヒーは日本人の動脈硬化を抑えるアンチエージング効果も方谷されています。~中略~
ただし、これはあくまで「挽き立ての本格コーヒーをブラックで飲む」ときの話です。
医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
牧田 善二 (著)
ダイヤモンド社 (2017/9/22)
P93
医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
- 作者: 牧田 善二
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/09/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
ストレスは脳も壊す [養生]
ストレスにより、脳と胃の両方に、分子生物学的な変化が起こる。熱ショック蛋白あるいはストレス蛋白という、細胞内で蛋白変性を防ぐ蛋白質がある。
ラットを拘束して水に入れる水浸拘束ストレスで胃潰瘍を作ると、胃ではストレス負荷一二時間後にはストレス蛋白のメッセンジャーRNAが四二倍に増加する。
より重要なことは、一見形態変化が何もないようにみえる脳でも、同様の分子変化が顕著に生じていることだ。
特に海馬、視床、視床下部において、ストレスによるストレス蛋白メッセンジャーRNAが著しく増加して発現する。
内臓感覚―脳と腸の不思議な関係
福土 審(著)
日本放送出版協会 (2007/09)
P227
体を温めよう [養生]
近年、日本人の平均体温が下がってきているという。この五〇年で、約一度低下したという説もあるほどだ。
体温が下がると、生命活動を維持するために体内で働く酵素の活動が鈍くなるといわれ、また自律神経の働きも低調になるため、免疫力が低下してしまう。
カルフォルニア大学のダニエル・セスラー医師によれば、平均体温が一度下がると、免疫力は約三七%ダウンする。反対に一度上がると、免疫力は約六〇%も活性が増すそうだ。
以前から、冷え性の女性は不定愁訴に悩まされがちだといわれていたが、冷えは精神の働きとも深い関連性があると考えられ得る。
実際、「体を温める」生活習慣を取り入れたところ、うつ症状が改善したという報告もある。
このように、体温低下は心身の健康にマイナスなのだが、体温は加齢とともにだんだん低くなってしまう。加齢により、熱産生と体温調節機能が低下するために、それまでの体温を維持できにくくなるのだ。
~中略~
男性の冷えはホテリや汗っかきなど、一見すると冷えの対極にあるように見えるのが特徴だ。だが、ホテリや汗っかきは体温調節がうまくいっていない証拠であり、体の芯は冷えていると考えられる。
精神科医が教える50歳からの人生を楽しむ老後術
保坂 隆 (著)
大和書房 (2011/6/10)
P186
精神科医が教える50歳からの人生を楽しむ老後術 (だいわ文庫)
- 作者: 保坂 隆
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2011/06/10
- メディア: 文庫
フットワーク [養生]
昔の人は健脚だった。
「奥の細道」の松尾芭蕉は、あの東北旅行を五ヵ月でしている。
~中略~
その行程約二千四百キロ。四十六歳の芭蕉がそんなに歩けたことに驚くが、江戸時代の旅とはそういうものだったのだ。
時代が下って、幕末になる。その時、いわゆる志士たちが実に頻繁に旅をすることにも驚かされる。中には船旅をする者もいたが、多くはひたすら歩いて日本中どこへでも行くのだ。
その脚力が情報を集め、時代を読み、世の中を動かすことにつながっていた。
もっとどうころんでも社会科
清水 義範 (著),西原 理恵子 (イラスト)
講談社 (1999/12)
P135
高松
チンパンジーもフロスは気持ちいい [養生]
アイが鏡を見ながら、口元に手をやっていた。食べ物が何か歯茎に詰まったらしい。
目は鏡を見ていて、「何が詰まったのかな」という様子で見ている。
デンタルフロスを貸したら、自分で使っていた。
これは明らかに、鏡に映った像が自分だとわかっているということだ。
想像するちから――チンパンジーが教えてくれた人間の心
松沢 哲郎 (著)
岩波書店 (2011/2/26)
P70
自覚が大切 [養生]
思うに、中高年登山者の厄介なところは、自分自身の体力の衰えを自覚していない点にあります。
山の会や仲よしグループによる山行、ツアー登山などは同世代の仲間と出かけることが多く、若い人たちと一緒に歩いたり登ったりする機会はめったにありません。
そのため、どうしても同世代間の比較となり、「俺はけっこう強いな」とか「私はまだまだ、負けてないわよ」とか思ったりして、体力の衰えを実感できていないのではないでしょうか。
気分は若いときのままでけっこうですが、体力の低下は本人が思っている以上に進んでいるのですよ。やっぱり自覚は大切です。
或るデータによれば、20歳を100%とした場合、敏捷性は50歳で80%、60歳で70%と意外と低下していないもの。ところが、脚力や持久力になると、50歳で60%、60歳で50%程度ですから、若いときのほぼ半分とないいています。平衡性に関してはさらに低下が著しく、50歳で40%、60歳で30%くらいになってしまいます。
登山力アップの強化書
徳永 哲哉 (著)
西日本新聞社 (2017/6/19)
P018
味覚障害 [養生]
年を重ねていくと味覚を感じにくくなります。同じ料理を食べていても味気ないと感じてしまうのです。55歳を超えると若い人の3倍以上味覚障害が出てきます。1)
高齢になって味覚がおかしくなるなんてあまり印象にないですよね。でもあなたも「自分の味覚は正常だ」と言い切れるでしょうか?味覚の変化はわかりにくいので、味覚低下を自覚していない人がたくさんいるのです。
~中略~
味覚が低下すると、どんどん味付けが濃くなったり、塩分の多い料理を食べたりしてしまうため、高血圧や糖尿病にかかりやすくなってしまいます。
また、心臓が悪い人は、味覚が弱く塩分を感じにくいことがわかっています。
老人の取扱説明書
平松 類 (著)
SBクリエイティブ (2017/9/6)
P73
楽訓 [養生]
貝原益軒は、健康書のはしりの「養生訓」で知られるが、実は「養生訓」を発表する前に、「楽訓(らくくん)」という本を書いている。
~中略~
「楽訓」では全三巻にわたり、人生を楽しむ意義と、楽しむ方法が述べられている。
「人の心のうちにもとよ此れ楽(たのしみ)あり」と言っており、、「楽は是、人の生まれつき楽しむために生まれてきたのだ。楽しまないことはこの世の道理にそむくとまで言い切っているから、痛快だ。
益軒の言う楽とは、「つねに我が心の内に、天機(てんき)の生きてやはらぎ喜べる勢いの止まらざるものあり。これを名づけて楽と云ふ」とあるように、生きていることを心穏やかに喜べる、そうした境地を指している。
こうした境地は、老後にこそ、到達できるものだろう。端的にいえば、老後は、心のなかに楽しさを満たして生きる、そんな時期だということだ。
精神科医が教える50歳からの人生を楽しむ老後術(
保坂 隆 (著)
大和書房 (2011/6/10)
P21
精神科医が教える50歳からの人生を楽しむ老後術 (だいわ文庫)
- 作者: 保坂 隆
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2011/06/10
- メディア: 文庫
精神的に健康であるということ [養生]
まず、自分を受け入れることが一つの条件です。
アドラーはいいます。「大切なことは何があたえられているかではなく、与えられているものをどう使うかである」と(「神経症の諸問題」Problems of Neurosis,P.4)。
自分という道具はたしかに癖があるけれども、大切なことはこれをどうやって使いこなすかということです。そのためにはこの自分という道具を好きになる、あるいは英語の表現でいうと自分を受け入れる(accept)ことができなければなりません。
アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために
岸見 一郎 (著)
KKベストセラーズ (1999/09)
P100
アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)
- 作者: 岸見 一郎
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 1999/09/01
- メディア: 新書
疾病の説 [養生]
病者自身にありては、病のために悲観に陥り意気の銷沈に陥るは、万々やむをえぬことではあるけれども、余り多く自意識を使って想像的に主観的に苦悩するよりも、寛やかな心を有し、のびのびとした考を懐き、天もしくは神、仏、もしくは運命というが如きものを信じて委順して行くのが最もよろしいので、最勝者の存在を認めずとも安心を得る人はそれでもよいのである。
疾病は人の免れぬものである以上、たまたま疾病を得たとて然(さ)のみ急に驚くべくも愁うべくもない訳である。
生命ある以上はむしろ疾病を予想すべきであって、そしてその予想に本づいて、第一には病に罹らざるを力め、第二には病に罹った時如何にすべきかを考えて置くべきことである。
病に罹らざるを力むるには、第一に自己の健全ならんを力め、次いで自己の近親者及び他人の病まざらんのことを力むべきであるが、自己一個の力を以ては自己をすら完全に保護することの出来ぬのが人間の真相であり実際であるから、病に罹らざることを力むるにも単独的にするよりも相互的にせねばその目的は達せられぬ。
~中略~
世間に体質の良好なるがために健康を保ち得て幸福に生活して居る人も甚だ多かろうが、良い妻、良い夫、有り難い父母、優しい兄弟、孝行な子女のために健康の幸福を得て居る人も何程あるか知れない。長寿の人を観るに孝行順孫を有して居る人が多い。
(明治四十四年十一月)
努力論
幸田 露伴 (著)
岩波書店; 改版 (2001/7/16)
P149
歯が命 [養生]
毎朝、まず熱い湯で目を洗い温める。鼻の中をきれいにする。ぬるま湯で口中をすすいで前日からの汚れを出す。干した塩を使い上下の歯と歯茎を磨き、熱湯を使い十分すすぐ。
~中略~
そのあと、別の塩湯で目と口を洗い直し、口をすすぐ。毎朝、これをしておけば歯は丈夫で老年になっても歯は抜けない。
視力も衰えず、老いても眼病にかからず夜でも細かい文字を読んだり書いたりすることができる。
わたしも毎日これを実行しているので、八十三歳になっても細かい字を読み書きできるし、歯も一本も抜けていない。そして爪楊枝も使うこともない。
養生訓 現代文
貝原 益軒 (著) , 森下 雅之 (翻訳)
原書房 (2002/05)
P141
都久夫須麻神社 竜神拝所3