スキソイド [言葉]
統合失調症という病気がある。昔は精神分裂病と言われていた。幻聴とか妄想を生ずる病気だが、昔は良い薬が少なかったので、入院治療が必要になったり、その入院期間も長期化する傾向があった。
しかし、薬剤の改良により、今では、経過は劇的に改善し、入院しないでも外来だけでコントロールできたり、入院したとしても、ごく短期間の入院治療で済むようになった。学校は卒業できるし、就職もできるし、仕事も続けられるようになった。
この統合失調症という病気ではなく、パーソナリティとして、自閉的で対人関係がうまくいかず、孤立を好む傾向の人がいる。そのような傾向や、特徴的なパーソナルティを、精神医学では「スキソイド」と呼んでいる。
この人たちは、人との適切な距離感をとりにくく、特に、「近づきすぎる」ことを怖れる特徴がある。このパーソナリティにとって、格好のツールが登場した。それがメールやインターネットである。
空海に出会った精神科医: その生き方・死に方に現代を問う
保坂 隆 (著)
大法輪閣 (2017/1/11)
P93
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