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心房細動を予防したければエアロビ [養生]

軽度の運動(住人注:ウォ―キング、サイクリングなど)は、45~79歳の人では心房細動の発症を減らしています。
 中等度の運動(住人注:ランニング、サッカー、スイミングなど)は、レジャースポーツと呼ばれています。~中略~ ところがレジャースポーツは心房細動の発症を増やしませんが、減らしもしません。
 強度の運動(住人注:クロスカントリー、激しい競技スポーツ)は、逆に心房細動の発症を増やします。

心房細動のすべて ――脳梗塞、認知症、心不全を招かないための12章
古川 哲史 (著)
新潮社 (2018/12/14)
P186 

 DSC_5117 (Small).JPG風師山展望台

P188
スポーツ医学の分野では「心臓血管フィットネス」という概念が使われています。別名を「エアロビクスフィットネス」といいます。これを用いて、運動と心房細動の関係が科学的に調べられています。
 ところで、心臓血管フィットネス(エアロビクスフィットネス)とは耳慣れない言葉ですが、これは何でしょう?
運動には酸素を使って行う運動(これを「有酸素運動」といいます)と酸素を使わずに行う運動(これを「無酸素運動」といいます)があります。
運動の強度を軽い運動から徐々に上げていくと、最初は有酸素運動が行われ、ある時点から無酸素運動になります。
この有酸素運動から無酸素運動にスイッチするところの運動の強度のことを、心臓血管フィットネス(エアロビクスフィットネス)といいます。言い方をかえると、有酸素運動でできる最大の運動の強度のことです。
 この心臓血管フィットネスが高くなる、すなわち有酸素でできる運動の範囲が広くなると、心房細動の発症頻度が減ります。運動の強度はMETs(「メッツ」とよびます)という聞きなれない単位で表わされます。
1METとは、ベッドに横たわって安静にしている時の消費カロリーのことで、いわゆる「基礎代謝」にあたります。~中略~
 心臓血管フィットネスが1MET上がるごとに、すなわち有酸素でできる運動の範囲が広がることによって、心房細動の発症リスクが7%減少します。ウォ―キングまでしか有酸素でできない人(4.0METs)に比べて、ジョギングまで有酸素でできる人(7.0METs)は20%、水泳のクロールまで有酸素でできる人(11.0METs)は40%、心房細動の発症が減ります。これはなかなか大きな違いですね。
心房細動を予防したければ、心臓血管フィットネスを増やすことです。

P191
有酸素運動か無酸素運動かを見分けるヒントは、脈拍数にあります。ちなみに、ここでは正常の洞調律の時に運動していると想定しているので、「心拍数=脈拍数」と考えて大丈夫です。
 人には「最大心拍数」というものがあります。これは年齢を使って、
 最大心拍数=220-年齢
として求めます。その最大心拍数の60~80%の脈波軀の運動が有酸素運動になります。~中略~
 例えば、2.5METsだった近所の散歩、3.5METsだった家事などをしている時の心拍数は、きっと最大心拍数の60%に達していないでしょう。逆に、80~85%を超えると無酸素運動の域に達するのでかえって体に害となります。

P194
 じつは、運動には心房細動の予防だけでなく、心房細動になった人にも良い効果があります。心房細動の3大合併症の1つに認知症がありましたね。運動は認知症の予防にも効果があるのです。効果がるどころでなく、最も効果がある生活習慣の1つのようです。
~中略~ 前頭葉は感情に関係する領域で、海馬は記憶に関係する領域です。運動することによって、精神的にも安定するし、記憶力も増えるのです。


タグ:古川 哲史
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