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声の大きいものが勝つ [処世]


 (住人注:カリフォルニア大学バークレー校の)研究チームは、互いに知らない4人の学生を組み合わせてグループをつくり、数学の問題を与え、協力して解いてもらいました。
被験者グループの学生のやり取りはすべてビデオで記録され、それを見て、被験者には誰をリーダーにするか、決めてもらいます。
 さらに、被験者グループとは関係ない第三者にもビデオをみてもらい、リーダーに誰がふさわしいかを別途、選んでもらいました。
 すると、被験者も第三者も、同じ人物をリーダーに選びました。しかし、ここで選ばれたリーダーたちは、特に数学の能力がほかのメンバーよりも秀でているわけではなかったのです。
 では、どのような基準で、彼らはリーダーとして選ばれたのでしょうか?
 被験者には、数学の問題に取り組んでもらう前に、短い性格判定テストのようなものをやってもらっていました。そのデータと照らし合わせてみると、そのテストで「支配性」が高いとされた学生ほど、リーダーに選ばれやすいということがわかったのです。
 ここで、「支配性」が高いというのは、ほかの学生を強制的に働かせたり、自分の数学能力の高さを認めさせるために恫喝したり、などという行為を行ったということではありません。
 とても単純なことなのですが、ビデオを見ると、「支配性」の高い学生は、一番最初に発言していたのです。
 さらに彼らは、ほかの学生よりも強い調子、確信に満ちた様子で話す傾向がありました。
 つまり、この実験から、「実力のある人がリーダーになる」のでなく、「確信のある人がリーダーになる」ということがわかったのです。
 実力のある優秀な人であっても、リーダーに選ばれるとは限らない、その実力が確信をとまなったときにだけ、リーダーにふさわしいとして、多くの人が納得してその人を選ぶのです。
 日本における内閣支持率も、この原理に随うとみてよいでしょう。

脳はどこまでコントロールできるか?
中野 信子 (著)
ベストセラーズ (2014/8/19)
P83



脳はどこまでコントロールできるか? (ベスト新書)

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  • 作者: 中野信子
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 2015/07/17
  • メディア: Kindle版




DSC_2397 (Small).JPGさっぽろ羊ヶ丘展望台

糸井 前略~
 何か大きな問題が起こったときに、大きい声を出したり泣いたりして伝える、っていう手法は、歴史的にずっとあったわけです。戦争中もあったし、学園粉争の中でもあった。
でも、本当に問題を解決したいと思ったときには、やっぱりヒステリックに騒いだらダメだとぼくは思うんです。「大変だぞ!」「死んじゃうぞ!」って、でかい声を出している人は、何か落ち着いて説明できない不利なことがあるのに、それはひとまず置いといて、とりあえず大声出せばみんなが来ると思ってやっているんじゃないかと思う。
だから、どんあにいい人でも、叫びながら言っているこことは注意深く聞かなくちゃいけない。「どんあ非常事態であっても、叫ばないでちゃんと説明してくれる人を見つけなきゃならない」ということを、ぼくは過去の経験の中で学んでいたんです。

知ろうとすること。
早野 龍五 (著), 糸井 重里 (著)
新潮社 (2014/9/27)
P45






知ろうとすること。(新潮文庫)

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  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/05/01
  • メディア: Kindle版

 


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