グローバリズム [社会]
P122
私は決してインターネットについても、グローバリゼーションについてもその意義を全否定しているのではありません。むしろ、その逆です。
~中略~
いまやインターネットもグローバライゼーションも、それらと結合した「マネー」もともに貧困国がアメリカの消費構造に依存せざるを得ない枠組みを完成させる道具ともなっているのではないのか、そのような側面をどう組み替えていくのか、と。
こうして私たちは、最初の問いに戻らざるをえないでしょう。
グローバリズムは世界を本当に豊かにしたのでしょうか。また豊かにしつつあるのでしょうか。貧しい国なら富める国へ、と資源を移転する仕掛けになっているのではないでしょうか。
P128
グローバリズムの流れのなかで、多くの誤解、曲解が生まれました。たとえばこの基本的生存権であるはずのFEC自給(住人注;フーズ、エナジー、ケア)の権利さえ、他国に任せることを「国際化」と受け止める為政者、識者らの出現です。
とりわけ世界に突出しているのが、私たちの生きる日本なのです。この社会では、いつの間にかアメリカによる「覇権型国際分業」(特定産業分野で他国を圧倒してしまう)を受け入れることを国際貢献、開かれた市場の創造などと思い込んでしまった。
そうすることで政権維持にも便利であった。現在のあまりに低い食料自給率もこうしたことの帰結の一つです。
P181
「作らせない、買わせる」というグローバリズムの本質を見抜けず、無批判な追随を加速させた結果、日本は食糧もエネルギーも極端なまでに自給率を低下させてしまった。
内橋 克人 (著)
共生経済が始まる 世界恐慌を生き抜く道
朝日新聞出版 (2009/3/19)
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