SSブログ

パーソナルゲノム時代の脳科学 [社会]

統合失調症・双極性気分障害・大うつ病などの精神疾患、アルツハイマー病・パーキンソン病・ハンチントン病などの神経疾患、自閉症・ADHD(注意欠陥多動障害)などの発達障害など脳の疾患の発症には、遺伝的な影響が大きく存在することがわかっています。
遺伝率は、大うつ病で40%、アルツハイマー病で70%、統合失調症で80%、自閉症で90%などと推定されています。

「こころ」は遺伝子でどこまで決まるのか―パーソナルゲノム時代の脳科学
宮川 剛 (著)
NHK出版 (2011/2/8)
P241

IMG_3848 (Small).JPG高松

~中略~
 統合失調症の遺伝率が100%でない、ということの意味を考えましょう。ゲノムが100%同じである一卵生双生児の一方が統合失調症になったときに、もう一方も発症する可能性は50%です。これは、統合失調症に明らかにかかりやすいゲノムを持っていた場合でも、生まれてからの環境や経験、食生活などによって、統合失調症にならない可能性が50%もあるということなのです。
~中略~

 さて、日本の大学の精神科や心理学科では、歴史的に精神疾患は「こころの問題」とされることが多々ありました。この場合の「心の問題」とは、個性の延長でしかない、脳の物質としての問題はないと言う考え方です。
こういう背景もあってか、世界の生物学的精神医学や生物学的心理学の流れのなかで、日本は大幅な後れをとってしまいました。
~中略~

 わが国では、精神疾患の患者数は右肩あがり、先進国の中でワースト1の自殺大国でもあるわけです。
こころの問題、精神疾患について、生物学的視点に立った研究をもっと盛んにしていく必要があります。

 


タグ:宮川 剛
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント