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腸はスゴイ [雑学]

 進化の道筋に沿って、魚類、両生類、爬虫類、哺乳類、ヒトと、順に脳が肥大していった。
われわれの体では、まず腸が発生し、後に脳が発生したことをよく理解しておく必要がある。
腸の神経が脳に似ているのではない。腸の神経に脳が似ているのだ。

内臓感覚―脳と腸の不思議な関係
福土 審(著)
日本放送出版協会 (2007/09)
P65

DSC_4578 (Small).JPG求菩提山

P68
 粘膜の表面は、粘液にいつも覆われている。粘膜で囲まれた管の中空の部分は、体の内側にはあるものの、実は外界である。
これを内なる腔所(くうしょ)(うつろな部分)なので内腔(ないくう)と呼んでいるが、食物、水、ガス、細菌、ウイルス、寄生虫、薬、毒など、多様多種のものが通る、いわば公道のようなところだ。
腸の凄いところは、生体に有益なものを消化しながら吸収し、有害なものを排除してくれることである。
ここでは外界のエネルギー(非自己)を取り込み、自己に改変する。これらを同時並行にどんどんこなす。

P69
 腸の粘膜は自己と非自己がせめぎあう最前線である。このため、生体の中で最もと言ってよいほど、免疫系が発達している。
マクロファージ、Tリンパ球、Bリンパ球、上皮内リンパ球、形質細胞、顆粒球、好酸球、肥満細胞、樹状細胞など、それぞれの役目を持った免疫担当細胞ががんばっており、通行人が味方(食物)なのか、敵(病原体)なのかを区別してくれている。

P70
 考えてみてほしい。腸の中には気の遠くなる数の細菌がうようよしている。ひと糞便内には一グラムあたり、1011個の細菌が生息している。腸全体では一〇〇兆個になる。細菌の種類も一〇〇から三〇〇種類はいるとされている。~中略~
腸はこれら海千山千の微生物たちとうまく交渉しながら、乳酸菌のような善玉を味方につけ、赤痢菌のような悪玉の生体内侵入を防いでくれている。


タグ:福土 審
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